ささやかに駅メモ!

駅メモの旅先でたまに娘キャラ活動と出会うブログ
→遭遇リスト

駅メモ!の世界に足を踏み入れたところ、なんだか楽しいのでそのまま彷徨い始めました。ウロウロ。怖くないですよ?

FP5-2

 
「フレッシュ・プラネット」
目次
 第一話 黒髪と金髪 (1) (2)
 第二話 異変 (1) (2)
 第三話 思い出した? (1) (2)
 第四話 M&M兵器 (1) (2)
 第五話 夢見る侵略者 (1)


 第五話 夢見る侵略者 (2)

 学校の敷地から少し離れた場所にある女子寮。その中に美和と八重の部屋がある。二段ベッドの上まで軽々と八重を運んだ美和と美欧は、安らかな寝顔の八重を部屋に残して、空に飛んだ。そのまま上空へと向かう。
〈期限は明日。後処理のことも考えると、今日中にフレッシュ・メーカーを仕留めないとね〉
 視線を上空に向けたまま美欧が呟いた。少し下がって飛ぶ美和は、黙ったままだ。構わず話を進める美欧。
〈この惑星《ほし》に来て最初にやったアレを、もう一度やってみる〉
〈……うん〉
 美欧が足元を見おろした時、そこに青く輝く惑星があった。短時間でやすやすと大気圏外まで飛び出したのだ。その美しさに、溜息をもらす金髪の娘。
〈本当に綺麗……元が岩だけの惑星とは思えないわね〉
 金髪を揺らして美和の方に振り返る。
〈今日ね、朝からこの惑星……HLB9152‐66の空を飛んで回ったわ。ロイの指示でね……十分な記録が残せたと思う〉
 その言葉を聞いて、美和が顔を上げた。
〈美欧とロイは……この惑星を……丸ごと破壊すればいいと思ってる?〉
 震える声。視線を外したままの黒髪の娘に、美欧がそっと微笑んだ。
〈美和の力なら、それができるわね……でも、とにかくもう一度、アレをやってみるわ。私にしかできないアレを〉
 そう言うと、美欧が美和に背を向けた。その背中をじっと見つめる美和。ロイから通信が入った。
〈美欧……宇宙に出たのか。汎数《レベル》6以上を解放するつもりだな〉
〈そうよ……汎数《レベル》3くらいならともかく、さすがに汎数《レベル》13を地上で使う勇気はないわ〉
 一瞬の間。ロイが息をのんだ間だ。
〈……汎数《レベル》13? ちょっと待て。質量方位を計算しないと、どんな影響が出るか……〉
〈ああ、そうね。この無人恒星系に大した影響は出ないと思っていたけど……ロイがいるブルーフォックスの位置まで計算に入れていなかったわ〉
〈勘弁してくれよ。重力場が狂えば、いきなりHLB9152‐66に落下なんてことも十分ありえるんだぜ〉
 面倒だなぁ……という言葉をのみ込む美欧。すぐにロイから許可が降りた。
〈オーケー、問題ない〉
〈了解〉
 美欧の顔が引き締まった。

 高目移行《システムアップ》・汎数《レベル》13

 通模《インプット》・要俳《キーワード》……あまねく広がる光……全てを晒しなさい……全てを受け入れましょう……

 転配《コンパイル》・役名《コマンド》……〝枢暗光《サーベイ》〟

 小型高速宇宙船ブルーフォックスの中で、ロイが見つめるディスプレイに異空間指数が表示されている。その数字が、美欧による「論《エグゼ》」の言葉と同時に、1乗から13乗まで跳ね上がった。部屋の中に、注意を喚起するアラーム音が響き渡る。
 惑星HLB9152‐66を含むこの恒星系のほぼ全領域に存在する原子。その全ての種類と状態、位置の情報が、美欧の頭の中……正確には、美欧が異空間に有する巨大な光‐重力演算装置内で処理されていく。一言で言えば……美欧は今、全知の女神だった。
 〝全知全能〟という言葉がある。全てを理解し、どんなことでもできるという神の力だ。この言葉は概念的で非科学的なので、正確には今の美欧は〝全知〟とは言えない。だが今この瞬間、この恒星系のどこに何があり、それが何なのか……およそ人が理解できる事象の範囲で、美欧は全てを把握したのだ。原子レベルの詳細なマッピングができあがるのに、数十秒しかかからない。
〈……だめか。二週間前より状況が悪いわね。あの時は、私たちが潜入した学校付近に1ppb増しの異空間指数を検知したけど……今は、私たちが残した異空間の痕跡の方が大きくて、上書きされちゃってる〉
 フレッシュ・メーカーは、その姿を見せない。美欧の枢暗光《サーベイ》に引っ掛からない存在など、通常はありえないというのに。考えられることは一つだけだった。
 ……普段は、異空間に潜んでいる。
 美欧がぼやいた。
〈現空間に出てきている筈なのよ、たまにはね。この〝再現《リプロダクション》〟が、極地方でまだ成長を続けていることを、今朝確認したから。……その尻尾もつかめないなんて、こっちの動きを読まれているのかしら……〉
〈尻尾……?〉
 美和が反応した。その真剣な口調に、美欧が振り向く。
〈どうかした、美和?〉
 口元に手を寄せて考え込む美和。その小さな口がボソリと呟いた。
〈……フレッシュ・メーカーには、尻尾があるのかな?〉
〈え……や、尻尾っていうのは、言葉のアヤと言うか……〉
 相棒が何を言いたいのかわからなくて困惑する美欧。だが美和に、冗談として笑う様子は見られない。
〈いつだっけ……あれは? そう……私が気を失って、倒れて……〉
〈どうしたの?〉
 美和に引き込まれて、美欧も真剣な顔つきになった。
〈思い出したの……私、見ていた……あれは夢じゃない……緑色の……〉
〈見ていた? 美和が枢暗光《サーベイ》を使えたっていうの?〉
 ありえない話だった。だが理由はどうあれ、必然か偶然かも別にして、美和はフレッシュ・メーカーの尻尾……まさに尻尾をつかんでいたのかもしれない。
〈……何を見たの?〉
〈うん……やっぱり、夢かも……〉
 あぁ……お前はロイか? ここで焦《じ》らすのか? と、イラッとする美欧の雰囲気を敏感に察知した美和が、慌てて答えた。
〈蛇のような……ヒモのような、細長い緑色の……そんなものが、動いていたの!〉
〈??!?〉
 あきれた表情の直後、今度は真剣に考え込む美欧。
〈……どこで見たの?〉
〈私の部屋。八重ちゃんとの相部屋……〉
 美和の頭にすぐに浮かんだ思いはこうだった。
〈あ……八重ちゃん、危険じゃないかな〉
〈大丈夫でしょう。たった今、枢暗光《サーベイ》して引っ掛からなかったんだから。それより……〉
 美欧の頭に浮かんだ思いは、逆だった。美和と八重の部屋……ですって? そこにいるのは、美和と八重だけでしょう。まさか……。
 美欧が遠慮がちに口を開いた。
〈……あなたが、その緑色の物を見たとき……八重はどこに行っていたの?〉
〈……部屋にいたよ。私、眠ったまま気分が悪くなって、吐いちゃって。八重ちゃんがすぐに……〉
〈あなたが眠っている間、八重は何をしていた?〉
〈何って……私は寝ていたから、わかるわけ……〉
 美和は、美欧が真剣に自分を見つめていることに気づいた。すぐに視線をそらす美欧。
〈とにかく……あなた達の部屋に戻りましょう〉
 二人の会話を聞いている者がいた。通信回線の向こうで考え込んでいるのは、ブラウンヘアーの男。その髪をかき上げると、ロイはコンソールに向かって何かを入力し始めた。

 ~(3)へ続く

コメント

そんな、まさか・・・まさか・・・
〇☆□★Фあskfd;l;

ここは、部屋のゴミ箱に
「ミスラの耳は猫の耳、ガルカの尻尾はオークの尻尾」
(*´∀`)=3 ふぅ。すっきり

◆Aryuさん
ガルカの尻尾は……オークの尻尾だったのかっ……wΣ( ̄▽ ̄;
ラストへ向けて盛り上げられるといいのですが……ちょっと自信がありません。
なかなか毎週更新とはいかなくて、申し訳ないです。
トロトロと進めたいと思います~( ̄▽ ̄;

コメントの投稿


管理者にだけOK


管理者に連絡する(メールフォーム)
※コメントを投稿できない場合にご利用ください。管理者からの返信はできません。
トラックバックURL

HOME

駅メモ関連リンク
最新の記事
最近のコメント
駅メモ!便利ツール
駅メモ!個人サイト
ブログ内検索

カウンタ

  • 閲覧/訪問数 since 2005
    hits / visits

月別アーカイブ

プロフィール

  • Author:笹谷周平(ささやか)
  • 誤字、脱字、リンクミスにお気づきの場合は、コメント欄にてお知らせいただけると助かります。

カテゴリ
旧知リンク
商標/著作権等