珈琲は一日二杯まで

笹谷の気が向いたときに気が向いたことを書く場所です

素人がゲームのことを書いたり、絵を描いたり、漫画を描いたり、小説を書いたり、適当に何でもありな趣味のブログです。友達は少ない。

ムンレケ1-1

「ムーンレスケージ」

第一話 竜連れの魔法使い


(1)

 歪んだ夜空が、無数の星で満たされていた。青や赤紫が混じりあう深い色水の中で、ひしめきあう冷たく鋭い光点たちがその輝きを競い合っているようだった。
 ――こんな星空は、天文台にある大型望遠鏡の映像でしか見られないと思っていた。
 そんなことを黒髪の青年は考えていた……氷の中で。
 冷たさは感じない。身体が存在する感覚さえない。夢の中にいるような気分で、彼は歪んだ天を眺めていた。光が歪んだりにじんだりして見えるのは、厚い氷を通して空を見ているからだ。彼の全身はほぼ仰向けの状態で透明度の高い氷の奥深くにあった。
 視界の周辺部は白く濁っている。それは、長い間彼の世界を塞いでいた白だ。氷の表面を覆う霜である。それが徐々に透明化したのは、彼が埋まる場所で氷の表面が溶かされている証拠だった。ゆっくりと、宝石箱のような星空が広がったのだ。

 宙に浮く人影が動いた。すぐに、氷の上にいる人が浮いて見えるのだとわかった。いくら星空が明るくても、その者がどんな容姿で何をしているのかまでは判別できない。ただ、二本の足で立ち、厚い防寒着を着ていると思われる影の動きは、明らかに野生動物のそれではなく、人の知性を感じさせた。


 ―― (2)へ続く ――


コメント

む、新作だ。。

【楽しみ】です。。

◆らふぃたん
一度に長く書くと続かないと思って、今回は短くしてみたけど……どうだろうw
続くといいなぁ( ̄▽ ̄;

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