ささやかに駅メモ!

駅メモの旅先でたまに娘キャラ活動と出会うブログ
→遭遇リスト

駅メモ!の世界に足を踏み入れたところ、なんだか楽しいのでそのまま彷徨い始めました。ウロウロ。怖くないですよ?

Cカーズ4-7

 
FFXI小説「カーバンクル・カーズ」
 目次
 第一話 白絹の少女 (1) (2) (3) (4)
 第二話 罠 (1) (2)
 第三話 黒き雷光団 (1) (2) (3) (4)
 第四話 下層の歌姫 (1) (2) (3) (4) (5) (6)


 第四話 下層の歌姫 (7)

 夕方になると、カリリエのいる酒場に人々が集まってきた。
 ウイカが誘拐されたという話が酒場の店員から伝わり、下層中に広がるのにそれほど時間はかからなかったのだ。駆けつけた人々がカウンターに座るカリリエを囲み、犯人への怒り、ウイカへの心配、カリリエへの励ましを言葉にした。
「ありがとう、みんな……。でも、そろそろ開店の時間だから……」
 人々の中心にいるカリリエは、ウイカの心配をしながらも気丈にふるまっている。客から声が上がった。
「何言ってんだ、カリリエ。こんな時にのんびり酒を飲んでなんていられるわけないだろう!」
「それはだめよ! ここは、長旅で疲れた人々を癒やす場所……年中無休は今までもこれからも、変わってはダメ」
 見た目には、歌姫の貫禄を完全に取り戻しているカリリエ。店の奥から出てきたヒューム族の店長が、グラス一杯の水をカリリエに渡しながら優しく言った。
「ウイカは俺たちみんなの娘だよ。みんなも心配で接客なんてできる状態じゃないさ」
「ありがとう、ヨスコロ……気持ちはとても嬉しいけど、でも、やっぱり店は開けて。ウイカは必ず私が助けるから」
 カリリエの目には決意があった。歌姫が実は冒険者であることを店長は知っている。そしてこう言い出したら誰にも止められないということも……。

   *

 ステージ裏では、サシュとミサヨが犯人からのメッセージが書かれた羊皮紙を見ていた。
午前中に店員が見つけたものだ。

 ===

 カリリエへ

 娘は預かった
 本日、日没時に、お前が隠している宝を持って
 バタリア丘陵南のエルディーム古墳入口に来い
 来なかったり妙なマネをすれば
 娘の耳や指が、店に届くことになるだろう

 ===  

 店に戻ってこれを見たカリリエは、はっきりと言った。私の宝は、ウイカだと。それが心からの言葉であることが二人にはわかっていたし、宝と呼べるような物品は持ち合わせていないとも聞いた。だが、このメッセージを見る限り、犯人の目的は〝宝〟と受け取れる……。
「どう思う、サシュ? ……これ、もし手ぶらで行ったら、ウイカちゃんが危険じゃないかな」
 ミサヨの心配は的確だったが、サシュは別のことを考えていた。
「宝……か。実はちょっと思い出したことがあるんだけど……カリリエさんに確認しないとな」
 ミサヨは驚いた。
 カリリエとは七年の付き合いである自分が思いつかないものを、会ったばかりのサシュが知っているなんていうことが、あるのだろうか?
 ミサヨの様子に気づいて、サシュが言葉を足した。
「いや、全然自信はないよ……というか、もしそうだったら、すごい偶然なんだけど。……いや、でも、俺が思っている通りじゃないにしても、調べてみる価値はあるかな……」
「何を調べるの?」
 はっきり言わないサシュに、ミサヨが単刀直入に聞いた。仕方なく答えるサシュ。
「……〝盾〟だよ。カリリエさんがザヤグさんからもらったという盾。でも、吟遊詩人には不要だからなぁ……処分してたらどうしようもないけど」
「カリリエのジョブは吟遊詩人じゃないよ? ……昨日、私言ったよね、〝あの美貌とスタイルに加えて、アルタナの女神様は、さらに二物を彼女に与えた〟……って」
 キョトンとするサシュ。
 ……そう、確かにそう言っていた。しかし、あの歌の上手さなのだ……冒険者だったと聞いた時、カリリエのジョブは吟遊詩人だとサシュはすっかり思い込んでいた。
「二物って……一つは〝歌〟で、さらにもう一つってことか……」
 サシュが確認するようにつぶやいた時、ステージ裏にカリリエが戻ってきた。そのカリリエの姿を見て、サシュは大いに驚いた。
 ……歌姫は、全身、純白の武具に身を包んでいたのだ。
「二年ぶりに着たけど……結構、馴染むわ……身体が覚えているのね」
 少し照れるように言うカリリエが身に着けているのは、ナイト専用の高級装備一式。通称AF《アーティファクト》と呼ばれるジョブ専用の装備品だった。サシュも黒魔道士専用のAFを身につけていた頃がある。……カリリエの冒険者ジョブはナイトだったのだ。
「その姿を見るのも久しぶりね……相変わらず、よく似合ってるわ。でも、もっと高レベル用の装備も持っていなかったっけ?」
「売っちゃったわ……一年前にウイカを引き取って、冒険者を休業した時にね。でも、この装備だけはお気に入りで、残しておいたの」
 〝売った〟という言葉に、ギクリとするサシュとミサヨ。
「ねぇ、カリリエ……日没までもう少し時間あるよね。サシュが、あの盾を調べてみたいって言うんだけど……それは残ってる?」
 カリリエは複雑な表情だった。
「あるよ……実は、ザヤグからもらった直後に木箱に詰めて、ずっと放置してたから……捨てることさえ忘れていたわ……部屋から持って来ましょうか?」
 サシュが頷くと、カリリエが部屋に戻って行った。
(素直じゃないなぁ……わざわざモグハウスからこっちの部屋に荷物を移してるんだから、捨てるチャンスなんていくらでもあったでしょうに……)
 ミサヨがくすくすと笑っていた。

   *

 なぜ盾をわざわざ木箱に入れたのかは、すぐにわかった。サシュとミサヨが見守る中、カリリエがフタを外すと、中には霧のように白い水蒸気がたゆたっていた。外気に触れて水蒸気が少し拡散すると、その奥に盾の姿が見えた。
「なにこれ……普通の盾じゃないの?」
 ミサヨがそっと右手を盾に近づけた。冷気が伝わってくる。良く見ると、箱の内側にはびっしりと霜がついている。
「直接触るなよ……盾の表側に触ると、軽い凍傷になるぜ」
 サシュは慣れた様子で、盾の上側をつかんで持ち上げると、裏側のベルトを持った。そして、裏側の部分を何やらごそごそといじり始めた。
「ちょっとサシュ、仮にも人様のものに……」
「すぐに済む……と思ったけど、箱詰めにされていたせいで、裏側まで氷っちまってるな……」
 カリリエは、ただ興味深げに眺めていた。
「この盾のこと……サシュさん、何か知ってるんですか?」
「これはアイスシールド……って名前は、ナイトのカリリエさんなら、当然知ってますよね。ただ……もしかしたら……」
 サシュはしつこく盾の裏側を触っている。仕方がないので、ミサヨはカリリエに質問した。
「アイスシールド……って、なんかそのまんまの名前だけど……どういう盾なの、カリリエ?」
「……攻撃を受けた時に、ある確率でアイススパイクが発動する魔法の盾よ。普通に世間に出回っている盾の中では、最高の防御力を誇る盾だと思うわ」
 アイススパイクとは、黒魔道士の魔法の一つで、冷気を身にまとい敵を麻痺させる力がある。だが、この盾は魔法を唱えなくても敵の攻撃を受けるだけで、アイススパイクが発動するらしい。
「……魔法の盾……あ……もしかして、〝錬金術〟合成で作れる盾!?」
 ミサヨは、サシュが錬金術師範であることを思い出した。
「ご名答……これ、俺が合成した盾かも知れない」
 ぽつりと言ったサシュのセリフに、ミサヨもカリリエも驚いた。
「えーっ!!?」
 よし、取れた……そう言うと、サシュは一枚のプレートを取り外し、そのプレートで隠れていた部分を確認した。
「……驚いたな……こいつ、七年間もこんなトコロで眠っていたのか……」
 サシュが、盾の裏側のその部分がよく見えるように、ミサヨとカリリエの方に向けた。そこには、サンドリア王国の紋章と、サシュの銘が入っていた。
「これは、ただのアイスシールドじゃない……材料のダイアシールドは、サンドリアの王妃がまだ生きていた頃に、今の国王の誕生日に贈った品……闇で売れば、とんでもない値がつくはずだ……犯人の狙いは、これだな」
 ミサヨとカリリエは、ぽかんとサンドリアの紋章とサシュの銘を見つめている。
(嫌な予感がするな……)
 サシュはこの盾が〝サンドリア王国ゆかりの品〟であることがひっかかった。しかも七年間も人知れず眠っていたものだ。よほどの組織力がなければ、その持ち主を突き止めるのは無理だったに違いない。しかも、この盾を最も欲しがっているのは、他ならぬサンドリア国王だろう……。
(ベッケルが、国王との駆け引きに使おうとしている……と考えるのは、さすがに考えすぎかな……)

「そろそろ行くわ」
 カリリエが立ち上がった。いつの間にか左腕にそのアイスシールドを装備している。
「こんな盾……って言い方はサシュさんには悪いけど……欲しければあげるわ。でも……ウイカを危険な目に遭わせた罪はつぐなってもらう……」
 高レベルナイトのカリリエなら、そのへんの悪党どころか、ジュノの警備兵とやりあっても、勝つかも知れない。だが、向こうには人質のウイカがいる……。サシュとミサヨは、こっそりカリリエの後をつけることに決めていた。

 ~(8)へ続く


コメント

最強盾デターーー!!!!!!!

。。。はともかく
>娘の耳や指が

こ、こわっ!!!((((((( ;゚Д゚)))))))
命が、とかより生々しいっすネ。

前回のお話読んだときに、カリリエさんの反抗期はわかったんだけど、ネガティブな思い出ばかりで、愛情部分との葛藤は全くないのかなー?とちょっと悲しかったのですが、やっぱりあってよかったよかった。

指を送る・・5・15事件が頭に浮かぶなぁやっぱりw
けど脅迫文としてはいい表現だね、相手に恐怖を植え付けるという意味では。

4話は後2話ぐらいかな?ともあれ、お体にお気をつけてがんばってくだされ~

みやぴんのアイスシールドキタ━(゚∀゚)━!
ぼくのカー君の登場━キョロ━(゚∀゚≡゚∀゚)━キョロ━マダ━?w

つーか、無理するなよ~w

体調不良の中お疲れ様です。
今回も楽しく拝読させていただきました。
20万HITの絵の時にヒュム♀ナイト載ってたけど、あれがカリリエだったのねw
盾もアイスシールドのグラフィックだし!
うーん。全然気がつかなかった^^

冒険者という名称が使われているということはヴァナ暦884以降ということで。
ローテが死んだのが869年で最低でも15年前ということになり・・・。
その頃、既にサシュはアイスシールドが合成できるくらい錬金術士としてかなりのスキルを持っていたとすれば、当時サシュが10代とは考え辛い、まぁ良くて20代中盤くらいでしょうか?
そーなると・・・、サシュの年齢は約40歳!w
すげぇ、よく考えられてる!

しかし、どうも神経質なところがあってオレはいかんな;;

『クックック。ついにアイスシールドが我が手にっ!』

【連続魔】【デジョン】で神速で逃走を計る俺が小説に登場!
待て、次号!乞う期待!!

※いや、そんな大それたことできませんから。ホントに。

さしゅさんへの作戦指令 【体大事に】

◆みやさん
コメントありがとう!
盾は……「過去に2回だけ合成したうちの1つだ」とかサシュに言わせようと思ってたのに、言うタイミングがなかったw
もちろん1つはみやさんの。
で、耳や指……は、ここまできつい表現をする必要はなかったと自分でも思っていて、少し引っかかってはいるんだけど……。
自分が犯人だったら、こう書くよな……と思ったら書いてた( ̄▽ ̄;
ゲーム世代はゲーム上の「死」に慣れっこになっているけど、ゲーム中で身体の部位を失うことってあまりないから、インパクトがあるのかな……と思ったり。
愛情部分の葛藤って、相手を嫌っている間は、自分では忘れているものかもしれない。
許した後に、嬉しかったことをいろいろ思い出す記述があっても良かったかも。

◆しげさん
いつも、ありがとうございます!
みやさんへのレスにも書いたけど、自分が犯人だったらと思ったらきつい表現になっていました。
でも、必要なかったかなぁ……と、ちょっと、もやもや。
今回、やっとくる動的シーン&ピンチシーン……第3話ほどは盛り上がらないかもですがw

◆pさん
もしかして、小説には初めてのコメント……?
ありがとう!
カー君というか、召喚士を出してないんだよね。
自分が黒しか知らないから、他のジョブって出しにくくて。
結局、シーフは戦闘に参加させなかったしw
風邪はもう、治すのあきらめ気味……( ̄▽ ̄;
内科の先生には呼吸器系の診察(水曜のみ)を受けたほうがいいとか言われたけど、仕事の都合で、今週は無理だしな~。

◆ひーさん
いつも、ありがとうございます^^
うん、あれがカリリエでしたw
ヴァナ暦に照らし合わせた話は、情報をありがとう!
わかりにくかったかもしれませんが、王妃が王に贈ったのはダイアシールドで、それよりずっと後に、サシュがそれを材料にしてアイスシールドを合成したのでした。
もう少し詳しく書いた方が良かったかな~( ̄▽ ̄;

◆アネさん
コメントありがとうございます♪
その技は、みやさんに貸してもらった時に使ってみてください!
きっと、みやさんはヴァナの果てまでアネさんを追ってくれると私は信じてます( ̄▽ ̄〃
てか、材料さえ用意してくれれば、アネさんにも合成しますよ~割れるかもしれませんがw
身体の心配、ありがとうございます^^

実は、いままでサシュさんの小説は読んでませんでした。
どうしても表現の仕方とか盗んじゃいそうで恐くて恐くて。
でも今日、ちょっと流し読みしてたら、
あの!あのヨスコロさんガガガッ!
いや、あの綴りでそう読んでいいのかわからないけど、
とにかく同じ人間を登場させていたところにちょっとwktkして、
明日、最初から読んでみようと思います、そちらの感想は後日。

終電逃して1時間の徒歩帰宅。
無駄にハイテンションな書き込み終了( ・ω・)ノシ

こんにちはー^^。僕ちょうどアイスシールド買った所なんですよw。グットタイミングで笑いましたw。安くなって買えるようになりましたよぉ。

小説の展開に動きが出てきましたね^^わくわくw。楽しみにしています。

◆らふさん
コメントありがとうございます。
私の小説に盗むような表現のしかたがあるかどうかは別として(w)、人の小説を読まない気持ちはわかります~。
ビス鯖ブロガーさんのは読みますが、ネット上の他の素人さんの小説は読まないです……影響受けそうですもんね!
でも読んでくれるということで、やっぱり嬉しいです♪
感想、楽しみに……というか怖い気もしますが……しています( ̄▽ ̄〃
徒歩帰宅、お疲れ様でしたΣ( ̄▽ ̄;

◆あーろんさん
こんにちは^^
おぉ、アイスシールドを購入されたタイミングでしたか!
偶然ってスバラシイ( ̄▽ ̄)/
続きの状況設定はできていますので、あとはキャラが勝手に動いてくれると思います~w

こんにちわ~ 初めてよまさせて頂きました(*´∇`*)

最初の方は、ヴァナのSashさんだったのに
後半では、しっかりとした小説のサシュさんが描かれてて
とても面白いです(´∀`)

|壁|ー`)。oO(美形・スタイルにこだわってたあたりが・・w

気になった点では・・
第2-1節で「超美少女」が気になったかな・・・
なんとなく小説の風景をジャマしてる1節に感じました・・

第3-3節で2H「女神の祝福」がでて来ますが
他のジョブの2Hもひそかに載せておくとよかったかもしれませんね。
同じく3-3「呼んでください!」って思いましたw(;;´_ゝ`)

ヴァナが前提にある中でうまく・面白く描かれてると思います(´∀`)
魔法がある時点で難しいですよね・・
犯人のいい方もあれでよいと思います。
レイズがある限り死なない世界でどうやって、残忍さをだすかが難しいですからね。

小説素人なので気にしないで下さい(/ω\)

続きを楽しみに(また読むのは、溜まってからかも;w)待ってますwヽ(´Д`)人(´Д`)ノ~♪

◆Alsさん
こんにちは!
読んでくださって、ありがとうございます( ̄▽ ̄〃
「超美少女」は、あとで変えておきますねー。
2Hのことは、私もそう思ってはいたんですよ、せめてWSくらい出すべきかなぁとw
でも、あまりそっちに意識がいっても流れが悪くなるかもなので、Alsさんが言うように、ひそかに載せられればいいのですが……むずかしい( ̄▽ ̄;
「呼んでください!」って……AlsさんのLS、強すぎですw
また気が向いたら読んで下さい~。

コメントの投稿


管理者にだけOK


管理者に連絡する(メールフォーム)
※コメントを投稿できない場合にご利用ください。管理者からの返信はできません。

HOME

駅メモ関連リンク
最新の記事
最近のコメント
駅メモ!便利ツール
駅メモ!個人サイト
ブログ内検索

カウンタ

  • 閲覧/訪問数 since 2005
    hits / visits

月別アーカイブ

プロフィール

  • Author:笹谷周平(ささやか)
  • 誤字、脱字、リンクミスにお気づきの場合は、コメント欄にてお知らせいただけると助かります。

カテゴリ
旧知リンク
商標/著作権等