ささやかに駅メモ!

駅メモの旅先でたまに娘キャラ活動と出会うブログ
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駅メモ!の世界に足を踏み入れたところ、なんだか楽しいのでそのまま彷徨い始めました。ウロウロ。怖くないですよ?

Cカーズ5-2

 
FFXI小説「カーバンクル・カーズ」
 目次
 登場人物紹介
 第一話 白絹の少女 (1) (2) (3) (4)
 第二話 罠 (1) (2)
 第三話 黒き雷光団 (1) (2) (3) (4)
 第四話 下層の歌姫 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9)
 第五話 刺客の価値 (1)


 第五話 刺客の価値 (2)

 着水した飛空艇から桟橋に出ると、そこは緑と水の国ウィンダス連邦であった。主にタルタル族とミスラ族が暮らす風光明媚な国が、今は霧雨で白くけぶっている。
「もっと大雨かと思ったけど、これくらいだと趣きがあっていいね!」
「ウィンダスは久しぶりだけど、変わってないよねぇ、この田舎さかげん!」
 サンドリアやジュノのような高い塀や建物は一つもない。自然の木々が生い茂り、森の中の隠れ里のような国である。ミサヨとカリリエが旅行者気分で元気な声をあげると、サシュもそれに応えた。
「うん、そこが我が故郷のいいところ……って、二人とも初めてじゃないんだ?」
 明るさを取り戻したサシュの声を聞いて、二人が顔を見合わせた。アイコンタクトで互いの安堵を確認してから、記憶をたどる。
「……と言っても、二人で冒険している時に数回寄ったことがあるだけか……」
「そうだね、あれから私も寄ってないな」
 カリリエの言葉にミサヨが答えて、二人がサシュを見おろした。
「案内、よろしく~♪」
「うん、そうしたいところなんだけど……」
 二人の依頼にサシュが言葉を濁した。
 桟橋を渡って陸に上がると、すぐに飛空艇公社の建物が見える。サシュは顔を隠すようにチュニックのフードの端を引っ張った。飛空艇公社の中に入ると、まず荷物のチェックを受ける。青と白が基調になった公社の制服を着た若いヒューム族の女性がかばんの中をあらためた。チェックはすぐに済み、部屋中央にある別のカウンターの横を通ると、そこに立つ案内係のヒューム族男性が声をかけてきた。
「空の旅はいかがでした? 楽しめました?」
 特上の美人二人にニコニコと笑顔をこぼしている。そして……。
 チュニックから眼鏡と銀髪がのぞいたタルタルを見つけると、その二人に対して以上に男が興味を示した。
「あの……あなたは、もしや……」
 サシュは無視したまま、早足でカウンターの横を過ぎた。カウンターの男は自信なさげで、それ以上は声をかけてこなかったが……荷物をチェックした女性がサシュの方を見て隣の女性とヒソヒソ話していることにミサヨは気づいた。
 チュニックを深くかぶっているのは雨を避けるためだけではなかったのだろうか? 飛空艇で暗い様子だったことと関係あるのだろうか……?
 そんなミサヨの想像をよそに、サシュは何も気づいていないかのように会話を続けた。
「実は私用で最初に行きたい所があるんだけど、あまり面白くない所だから、二人は先にレンタルハウスに……」
 入口とは反対側の壁にある出口の扉に、サシュが手をかけた時だった。サシュの声を遮るように、突然大きな声が背後から上がった。
「ちょ……ちょっと泥棒っ!!」
 キャーッと女性のかん高い声が響く。急に部屋の中の空気がピリピリして、全員が荷物チェックカウンターの方を向いた。
「こ……この人が、私のお弁当を……!」
 お弁当? ミサヨ、カリリエそしてサシュが見つめる先には……。
 先程荷物をチェックした公社の若いヒューム女性。そして彼女に右手首を掴まれたもう一人のヒューム女性がいた。左手には盗んだバスケットを持っている。その弁当泥棒は、背が高い上に悪びれた様子がなく……毅然とした態度に迫力があった。
「何ですの? 私は空腹なのです。生き残ることは人生において最優先事項なのです! あなたは私を飢え死にさせて平気なのですか!?」
 とんでもない居直り……逆切れである。そう言いながら、左手に持ったままのバスケットを片手で器用に開けて中から白パンを一つ取り出すと、遠慮なく口にくわえたのだ。
「な……なに平気で食べてるのよ!? 信じられない……ちょっと、主任!!」
 荷物チェック係から声をかけられたのは、中央カウンターにいた先程の男であった。我に返ったようにカウンターから出てくると、主任はバスケットを持つ泥棒の左手を掴んだ。泥棒の女は気にせずにむしゃむしゃと白パンを頬張っている。主任はもう一人の公社の女性に声をかけた。
「君、西門に行ってガードを呼んできてくれ!」
「ちょっと待ってください」
 いきなりサシュが声をかけた。驚いたのはミサヨとカリリエである。通りすがりの冒険者が口を出すことではない……が。二人はサシュがこの国の住民であることを思い出した。いや、それにしても、止めてどうすると言うのか……。
「よく見てください。……彼女は本当にかなりの空腹のようです。困っている人には救いの手をさしのべるのが神子様の教えのはず……」
 周囲にかまわず口の中のパンを咀嚼し飲み込んだ弁当泥棒は、汚い粗末な衣服にぼさぼさの髪で、顔も薄汚れていた。そして両目からは涙があふれていた。
「あなた……いい人ですわね……」
 弁当泥棒は大いに感激している様子だが、はたから見れば演技にしか見えない。ミサヨとカリリエは大いにあきれた。
 ところが……。
 場の空気は、ミサヨとカリリエの想像外のところに流れていた。
「サシュ……カシュ……様?」
「やっぱり……! サシュカシュ様が、ウィンダスにお戻りになられた!!」
 どういうわけか、部屋の空気が急に明るくなり、部屋の隅にいたタルタル族の特産品売りまでが浮かれた様子である。
「サシュカシュ様が戻られた……大ニュースだ!!」
 サシュは顔を伏せるように頭を抱えている。それから、気を取り直したように荷物チェックの女性に近付くと、カウンターに五千ギルを置いた。
「もしよければ、これで昼休みに食事でもしてください」
 それだけ言うと、急いで部屋から出て行ったのだった。慌てて後を追うミサヨとカリリエ。わけがわからない。サシュは思ったより早足だったので、二人が追いつくのに時間がかかった。
「もう……何よ、〝サシュカシュ様〟って……サシュのことなの?」
 カリリエがすっきりしない不満を顔に浮かべてサシュを睨む。……その時、ミサヨは別のことを考えていた。
 あんな客、飛空艇に乗っていたっけ……?

 ~(3)へ続く


コメント

執筆おつかれっしたー。
サシュカシュ様ってなに(゜Д゜)?な展開でビックリしておりますw
あ、もしそれがフルネームなのだとしたら間に-を入れてサシュ-カシュ様にした方がいいかもです。

さて、変わって1点だけ。
弁当泥棒の所ですが、少し状況がわかりにくいかもしれません。
左手でバスケットを盗った所でカウンター越し(もしくはその横で)右手首をつかまれたって感じなのかな?
だとするならセリフ(「私は空腹なのです~」)の前に一気に描写を書いてしまったほうがいいかもしれません。

まぁそんなとこかな、ウィンダスの描写は相変わらずわかりやすくていいと思います~。
では今回はこの辺で失礼。次回もがんばってくださいな~

◆しげさん
いつもコメントありがとうございます^^
ヴァナでタル♂NPCの名前をカタカナで書く時は続けて表記されるので(アジドマルジド等)、それに合わせてみましたが、読みにくかったかな……あぅ。
セリフの前に一気に……というのも、その前の描写をどうするか考えないといけないので、もう少し考えさせてください。
とりあえず今のままじゃわかりにくいというのはわかりましたので~。

先生!突っ込んでいいっすかっ?
ブラクロじゃなくて、ブラックチュニック・・・・でそ?
Lv制限、いつ解けたのかって悩んじゃったYOw

風光明媚。いい言葉ですねヽ(´ー`)ノ
サシュカシュが・・・本名??

な、なんか、さらにすごい展開になっている。

サシュカシュ様、なにものになってしまわれるのでしょうか!

響きがフランス語の「かくれんぼ」カシュカシュ(かしぇかしぇ?)ににている(ノ´∀`)

はじめまして^^
バイトの合間に小説拝見させていただいてます。
実は、小説は昨日初めて拝見したのですが
すぐにのめり込んで、その日のうちに
今まで執筆されたものをすべて読み終えてしまいました(^^;;
同じ空の下(サーバー)でプレイできないのは残念ですが
これからも伺わせていただきますので
執筆活動がんばってくださいm(._.*)mペコッ

こんばんは~
お疲れ様です~
う~続きが気になります楽しみです
サシュカシュ・・・
なんてか名前にカラーとか付けてみたりとかはないですよね?
店の人緑色とか・・・

サシュカシュ・・・いったい何者なんだw
そろそろストーリーのメリハリ的にもサシュの弱い所が見れるかなって思ってたら、またしばらくはサシュの凄さを見せ付けられそうですね。
認識を変えました、カーバンクルカーズはさしゅ式バスタードに違いない!
水戸黄門でも良いけど、校門様にハーレムはなかったからな・・・入浴シーンならあるけどw


サシュカシュに関しては、その昔、オレが名前の法則って記事かいた時に、さしゅさんも「サシュカッシュ」とか考えたって言ってたね。
もしかしたら、あの時から構想はできていたのかな、なんて思いましたヽ(´ー`)ノ

うーん、「ひとりよがりの内容にならないようにしなきゃあ」と思っていた最初からこんな展開ですみません( ̄▽ ̄;

◆pさん
そのツッコミ、めちゃくちゃ感謝!!
全然気づいてなかったですwww
でもちょうど良かった。
前回の最後にブラッククロークを目深にかぶった人物が出てきて、それとかぶるから嫌だな~と思っていたところだったのだw
ありがと~( ̄▽ ̄〃

◆そあらさん
コメントありがとです!
質問にはお答えできません( ̄▽ ̄〃
風光明媚……いい言葉ですよね!
漢字にすると「媚」だけ浮いた感じがしますけど、一般的な意味とはちょっと違う「媚」なんでしょうね~。

◆みやさん
コメントありり♪
うん、サシュカシュ様……この展開は本筋には全く関係なかったんだけどw
せっかくなので、上手く絡めれたらいいなぁ。
カシュカシュ……その響きと意味に、萌えました( ̄▽ ̄〃

◆ほわいとぉさん
はじめまして^^
あたたかいお言葉をありがとうございます。
頑張って続きを書いていきます。
というか、早く完結させたいですw
これからもよろしくお願いします( ̄▽ ̄)/

◆サトさん
こんばんは~。
今回もコメントありがとうございます~。
続きを楽しみにしてもらえて嬉しいです^^
名前にカラー……NPCの名前を緑色で書くって意味でしょうか。
それを言うと、アイテムとかもそうですねw
それはそれで見やすくていいかも……と思いつつ、面倒でやらないと思います、く~すみません( ̄▽ ̄;

◆ひーさん
コメントありです!
何を言ってるんですか、ひーさん。
サシュを弱くするのは、もっと強く見せてからですよ、そのギャップが……って、あ、ネタバレしちゃったかな( ̄▽ ̄;
てか、そんなに深く考えていません。
私の場合、絵を描く時もそうなんですが、自意識とは違うところで進めていて、知らない間につじつまが合っている……という感じです。
精密な……どころかいいかげんなプロットも書いていない私は、小説書きとしては失格かもですが、その方が自分が楽しく書けるんですよね。
自分も続きが楽しみというかw
特に絵の場合は、「これ、自分が描いたんだろうか……」と後でよく思います。
計算して書いていないので。
小説も同じっぽいと気づいたのは最近です( ̄▽ ̄;
きっと背後霊が書いているに違いない。
ど素人の背後霊ですけどww
で、バスタードのようなエロティックな描写は出てきま……あ、すみません、そういえばバスタード程度なら出てましたね( ̄▽ ̄;
いやだからハーレムとかないから!
ひーさんの名前の記事とその時書いたコメントのことはよく覚えています。
で、サシュカッシュより、ひーさんが書いていたサシュカシュの方が自然かなぁと今は思って、そっちにしました。
上に書いた通り、構想とかはありませんw

4話のシリアスさとはうって変わって、5話は楽しげな始まりかたですね。
2人の美女の今後の恋の鞘当が楽しみですw

それにしても、「サシュカシュ様」ってなんですか?
【興味があります。】

◆Leppardさん
コメントありがとうございます^^
4話がきつかったので、5話はのんびりした話にしたかったのですけど。
背後霊が許してくれなさそうです。
続きを読んでいただけると嬉しいです♪( ̄▽ ̄〃

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