ささやかに駅メモ!

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駅メモ!の世界に足を踏み入れたところ、なんだか楽しいのでそのまま彷徨い始めました。ウロウロ。怖くないですよ?

Cカーズ6-1

 
FFXI小説「カーバンクル・カーズ」
 目次
 登場人物紹介
 第一話 白絹の少女 (1) (2) (3) (4)
 第二話 罠 (1) (2)
 第三話 黒き雷光団 (1) (2) (3) (4)
 第四話 下層の歌姫 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9)
 第五話 刺客の価値 (1) (2) (3) (4) (5) (6)


110803 6話

 第六話 依頼と報酬 (1)

 ヒュンッとうなって、特大の鎌がサシュの額《ひたい》をかすめた。額にすっと赤い線が浮き出て、ぷつぷつと小さな血液の玉がいくつも出てくる。それらが大きくなり、互いにくっつくと、銀色の眉の上まで垂れて赤いスジを作った……。
 目の前にいるのは、この遺跡に居座るNM《ノートリアスモンスター》。一見、フードをかぶったエルヴァーン族に見えるが、フードの奥にあるはずの顔は闇のように黒く、瞳だけが黄色く輝いている。シャドウ族と呼ばれるモンスターだ。
 レベル75だった頃のサシュなら、瞬殺できた相手である。だが今はレベル15の制限を受けている……敵が一撃目を外したのは、ほとんど奇跡だった。ヤツの黒い鎌は、一振りで今のサシュを天国へ運べる力を持っている。
「くそ……」
 サシュはちらりと背後を見た。ミサヨが倒れている。そしてたった二回の攻撃でミサヨを床に沈めたモンスターが、今度はサシュに狙いを定めていた。
 トゥーオブカップス……カーディアン族だ。ウィンダス連邦が生み出した自動人形が野生化し、この遺跡に住みついている。このカーディアンはレベル1のミサヨはともかく、レベル15のサシュから見れば大した相手ではない。
 問題は目の前にいるシャドウ族のNMだった。ヤツの濁った黄色い目が輝いたように感じた瞬間……。
 防御の態勢をとる時間さえ与えず、黒い鎌が真上からサシュに向かって振り下ろされた……!

   *

 話は二日前にさかのぼる。
 その日のウィンダス連邦は、涼しい風が吹くさわやかな秋晴れだった。サシュ達がこの国に滞在してから三週間が過ぎようとしている。
 そして、来る日も来る日も、サシュ、ミサヨ、カリリエの三人は水の区にある目の院の魔法図書館で、膨大な量の蔵書をチェックしていた。〝カーバンクル・カーズ〟……その病名のヒントとなる記述を探すために……。
 目の院を訪れた初日。幸運にもトスカポリカ院長をつかまえることができた。一年前に記者ウムムが見つけた禁書についてストレートに尋ねたが、どうも歯切れが悪い。話をしているうちにわかってきたのだが……どうやら禁書だから話せないというよりも、禁書そのものを紛失したらしかった。はっきりとは言わなかったが……そんな大失態を言えるはずもないが……ウムムのインタビューの後、確かに禁書を保管する部屋に移したはずが、消えてしまったらしい。
 三人は仕方なく、他にヒントとなる記録がないかを探して、目の院の蔵書を調べ始めたのである。……が、何の成果もないまま三週間近くたってしまっていた。

 バターン……と大きな音を立てて、図書館の扉が突然開かれた。サシュ、ミサヨ、カリリエの三人が、それぞれ本を開いたまま入口を振り返る。書記官の金髪タルタルであるフラックノラックが眠そうな目を開いて注意をした。
「……ふわぁ……? あー、ここは魔法図書館ですよ。お静かに願いますね」
 入口に現れた人物は、そんな注意を全く聞いていないようだ。
「おい、新入り! 水の区のオジーチャンが戻って来たぞ。オマエ、知らせてくれって言ってたろ」
 サシュの顔が輝いた。
「ありがとう、ゴマダヴルマダ。その知らせを待っていたんだ!」
「〝ヤクソクは絶対に破らない〟が、ジョーカーが決めたスターオニオンズ団の鉄則だ。オマエも破っちゃダメだぞ……それから、また倉庫裏に顔を出すんだぞ」
 ゴマダヴルマダと呼ばれたタルタル族の少年は、言うことだけ言うと、再び大きな音を立てて扉から出て行った。フラックノラックがやれやれという顔をしてから、居眠りを再開する。

 ミサヨとカリリエが目を合わせてから、サシュの方を見た。
「何、今の子? サシュの知り合い??」
「うん、まぁね。ちょっと出かけてくるよ」
 サシュはそれだけ言うと、手にしていた本を本棚に戻して扉に向かった。ミサヨとカリリエが手を振る。
「いってらっしゃい」
「またね」
 サシュも手を振りかけて、ぴたりと止まった。

 しばしの沈黙。

「……二人も一緒に来る?」
 少し考えてから出たサシュのセリフに、ミサヨとカリリエが再び目を合わせた。そして、にんまりとした笑みを見せる。
「行くよ、もちろん!」
「サシュも進歩したねぇ♪」
 一瞬、むっとしたサシュだったが、心から嬉しそうな二人の様子を見て、何も言う気がなくなった。
(一人の方が気楽なんだけど……まぁいいか)
 三人は扉を開けて、秋晴れの空の下に出て行った。

「これでやっと、ゆっくりできます」
 他に誰もいなくなった図書館で、フラックノラックが小さなあくびをもらした。

 ~(2)へ続く


コメント

最初の出血の描写が良かったw

◆ひーさん
先日、書類をとめたクリップにクリップが挟まったのを外そうとしたら、勢いよく指が紙の端を走り……かなり深く切れました……その時の描写だったりw( ̄▽ ̄;

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