ささやかに駅メモ!

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Cカーズ6-2

 
FFXI小説「カーバンクル・カーズ」
 目次
 登場人物紹介
 第一話 白絹の少女 (1) (2) (3) (4)
 第二話 罠 (1) (2)
 第三話 黒き雷光団 (1) (2) (3) (4)
 第四話 下層の歌姫 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9)
 第五話 刺客の価値 (1) (2) (3) (4) (5) (6)
 第六話 依頼と報酬 (1)


 第六話 依頼と報酬 (2)

 ウィンダス連邦には、〝スターオニオンズ団〟と名乗る集団がいて、日々、ウィンダスの平和と正義のために活動している。サシュはその団員の一人である。
「ちなみに俺以外のメンバーは、耳の院魔法学校入学年齢にさえ達していないような……子供ばかりなんだけどね!」
 嬉しそうに話すサシュを見て、カリリエがあきれた。
「それって……単なる子供の遊びなんじゃあ……?」
「そうとも言えるけど……俺がランク10になった事件は、彼らの活躍がなければ解決しなかったよ」
 カリリエは半信半疑だ。「ふーん」とだけ言って、話題を変えた。
「今から会いに行く人は、どんな人なの? 〝オジーチャン〟って言ってたけど」
 オジーチャンと言っても、タルタル族なら子供にしか見えないんだろうなぁとカリリエは思った。
 サシュ、カリリエ、ミサヨの三人は、ウィンダス水の区を南に歩き、帽子屋の角を曲がって西に向かっていた。どこまで行っても、森と青空と涼しい風が続いている。
「ウィンダスで唯一の大金持ち……ホノイゴモイさん」
「ホノイゴモイ……? ……あ!」
 カリリエが何かを思い出したような顔をしたので、ミサヨが口を挟んだ。
「カリリエ、知ってるの?」
「う……うん……子供の頃に名前だけ聞いたことがあるんだけど……その噂がすごく印象に残っていて……」
 カリリエの表情を見る限り、あまりいい噂ではなさそうである。
「その……すごい悪徳商人ってことで有名だったんだけど……同じ人かな……?」
 サシュは、カリリエが子供の頃に父親代わりのザヤグと共に商人をしていたことを思い出した。
「たぶん……いや、間違いなくその人だと思う……」
 サシュの返事を聞いて、カリリエとミサヨの顔が暗くなった。わかりやすい反応が面白くて、サシュがくすりと笑った。
「そんなに悪い人じゃないよ……まぁ……口と性格は悪いけど」
「…………」
 相手の人柄に確信を持ってしまったカリリエとミサヨは、すっかり楽しくない雰囲気になった。
 ふぅ、と溜息をついてサシュが足を止める。
「……ちゃんと説明するよ。マリィの依頼を引き受けたとき、会うべき人物が二人、頭に浮かんだ。それがジュノのモンブロー先生と、ウィンダスのホノイゴモイ氏なんだ」
「モンブロー先生は高名なお医者様だから、病気のことを聞くのはわかるけど……そのホノイゴモイさんは?」
 まじめな顔のミサヨ。マリィの名前が出た以上、これは大切なことと認識したのだ。
「うん、まず……マリィの命をつないでいるレア品〝白絹の衣〟のことを知っていそうな人が他に思いつかなかったというのと……」
 サシュはマリィの母親リタから聞いた情報を思い出していた。白絹の衣の入手経緯……普段見かけないヒューム族の商人が街を訪れ、その商人から購入したと言う……。
「ホノイゴモイ氏は、若い頃に商人として世界中を旅している……大戦で滅びたタブナジア候国にも渡っていたらしい。……病気や呪いについて、何か情報を持っているかもしれないと思ったんだ……もしかしたら、だけどね」
「そっか……商人から情報を得るって言うのは、思いつかなかったな」
 感心するミサヨに対して、カリリエの目は冷静だ。
「あまり期待しない方がいいと思うけど……商人って、自分の扱っている商品に関わること以外には興味がないのが普通だから」
「そうだね……俺もそんなに期待しているわけじゃないけど……ホノイゴモイ氏が扱ってきた商品の数は……たぶん想像以上だと思ってるんだ」
 サシュの話を聞いて〝オジーチャン〟に興味を持ったミサヨが、三歩前に進んで二人を振り返った。
「行ってみましょうよ。話はそれからでいいじゃない?」
 サシュとカリリエが笑顔で頷いた。

   *

 閑静な森の奥に、ホノイゴモイ氏の大邸宅があった。
「こんにちは、ホノイゴモイさん。ご無沙汰しております」
 家に入り、挨拶をするサシュ。カリリエとミサヨも黙って頭を下げた。
 部屋の中には、高価そうな品々が飾られている。金塊がそのまま積まれてインテリアになっているのを見て、ミサヨとカリリエが驚いた。その金塊の前で、黒い布地の服に身を包んだタルタル族の男が振り返った。
「なんだおまえか。ウィンダスでは有名になったようだが、どうせ相変わらず港の子らと夢を見て遊んでいるんだろう? 大人の自覚を持たねば、世界では通用せんぞ?」
 カリリエの眉がぴくりと反応するのを見て、ミサヨが彼女の左手をつかんだ。サシュはホノイゴモイ氏の返事を聞き流して、用件を伝えた。
 〝白絹の衣〟のこと、炭化する病気または呪いのことについて何か知っていることはないか……?
「……おまえは、わかっていないな」
 ホノイゴモイ氏は、相変わらず不機嫌そうだ。
「人に話をする時は、まず、相手にとってその話にどんなメリットがあるかを説明するべきなのだ。それ以前に……おまえはかつて、いったん受けたワシからの依頼を断ったことを忘れているんじゃないのか?」
「申し訳なく思っています」
 確かに、サシュはかつてホノイゴモイ氏の依頼をいったん受けながら断ったことがある。それにはウィンダス連邦滅亡の危機を回避し、サシュをランク10にしたジョーカーの事件が絡んでいる。断ったのはサシュの判断だ。
 だが、サシュはここで引き下がる気はない。
「私はただの冒険者です。ご満足いただけるような情報料をご用意することはできないでしょう。何かお望みがあればおっしゃってください」
 大金持ちのタルタルが少し考え込んだ。
「ふん……。おまえ、外ホルトト遺跡の〝ディオ〟のことを知っているか?」
 この時、ミサヨは「なるほど……」と思った。サシュは言った……ホノイゴモイ氏は、口も性格も悪い……でも悪い人ではないと。
 ホノイゴモイ氏からは不機嫌さが消え、利を求める商人の顔になっていた。厳しい目つきでサシュを睨んでいる。過去の恨みよりも合理性を重視する人なのだ……根っからの商人とも言える。
「東サルタバルタの北にある遺跡のヌシ……ドッペルゲンガー〝ディオ〟のことですね?」
 サシュがさらりと返事をしたのを聞いて、カリリエとミサヨがほっとした。「知らない」と答えたら、また何を言われるかわからないと思ったのだ。
「そうだ……ワシの調べたところでは、奴の持っている武器の名は〝クルエルサイズ〟……大きな黒い鎌だ。これを手に入れて来い。話はそれからだ」
 頷くサシュ。
「わかりました。次にお伺いする時には、その武器を手に入れて来ます」
「ふん……話は済んだな。さっさと帰るがいい」
 クルエルサイズ……その武器が、どこでどういう儲け話に繋がるのか、知っているのはホノイゴモイ氏だけだろう。
 三人はまた頭を下げると、ホノイゴモイ邸を後にした。

   *

「あ~、もう、むかつく、あのクソジジィっ!!」
 モグハウスへの帰り道。カリリエがたまったストレスをシャウトで発散している。そんな怒声まで美しいことにサシュは妙に感心した。〝歌姫〟はいつでも〝歌姫〟なんだなぁ……と。
 ミサヨがサシュをつついた。
「〝ディオ〟って……あの〝シェン〟より強いの?」
 サシュの表情は、余裕とも危機的ともとれる複雑なものだった。
「〝シェン〟とは……比べものにならないくらい……弱い」
 ほっと胸をなでおろすミサヨ。だが、サシュの表情はどちらかと言うとやはり厳しい。
「でも……シェンのように決定的な弱点があるわけじゃない……まともに闘うしかないだろうな……そして、レベル15に制限されている今の俺では、まったく歯がたたないだろう」
「それなら、大丈夫! 私たちにはカリリエがついているじゃない?」
 少し離れて歩いていたカリリエが、キョトンとした表情でこちらを見た。
「……呼んだ?」
 ミサヨがニヤリと笑う。
「頼りにしてますよ、レベル72のナイト様!」
「え~、何、何なのよ? ……あ、なんとかって言うNMのこと?」
 カリリエが力こぶを作るポーズを作った。
「余裕でしょ、私なら」
 にんまりと笑うカリリエ。サシュも笑った。
「明日の朝、居住区の森の区側出口で待ち合わせしよう。遺跡まで歩いて半日以上かかるから……冒険の準備は、各自で今日中にね。……あ、サルタバルタで見かけるモンスターの知識は二人とも大丈夫?」
「それくらいは大丈夫」
「サシュが故郷のウィンダスに来てから、面倒を見ようとしてくれるのは嬉しいんだけど……これでも、私たち、かなりベテランの域に入る冒険者だから」
 美女二人が笑っている。ミサヨが今レベル1に制限されているとは言え、確かに二人とも高レベル冒険者だ。二人とも十九歳と聞いた気がするけど……若いのに大したものだと、あらためてサシュは感心した。
 そう……カリリエをあてにすれば、確かに心配はいらないはずである。実は、ディオとは若い頃に何度も手合わせしたことがある。レベル72のカリリエなら余裕だろう……。
 あとは……いつも通り、臨機応変に対応するしかないのだ。

   *

 ウィンダス石の区、天の塔、神子様の部屋。そこにビクビクしているタルタル族の女性がいた。
「あの……クピピにどのようなご用件か教えてくださいなのです。クピピはまじめに書記官業務をこなしているのなの。職権乱用なんてしてないなの~!」
 天の塔受付嬢クピピの前には、神子様と世話役のズババが立っている。ズババが口を開いた。
「クピピ……おまえが天の塔を訪れたサシュカシュに、独断で便宜をはかったことはわかっています」
 クピピの顔が真っ青になった。何か言おうとするが、言葉が出て来ない。
 神子がゆっくりとクピピに語りかけた。
「クピピ……」
 クピピが再び、びくっと反応する。かまわず話を続ける神子。
「私が知りたいのは、サシュカシュが何を望み、あなたが天の塔の顔としてどのように対応したかです。あなたはサシュカシュの正式なランクを知る者。もちろん、礼を尽くして彼の希望に応えたのでしょうね?」
 微笑んでいる神子の顔を見て、クピピはようやく叱られるわけではないと悟った。そして、自分の対応の良さを多少脚色をまじえながら一気にまくしたてた。
「なるほど……不幸なヒューム族の女性をかくまうために……」
 素直に納得する神子に対して、世話役のズババは細かいところまで突っ込んで聞いた。……が、それはサシュに便宜をはかったことを非難するものではなく、きちんと彼の望むように対応できているかを確認するものであった。
「その後、週刊魔法パラダイスの記者が来て、取材までしていったというのですね。記者の名前は? ……そう、ならば問題ないでしょう」
 納得した様子のズババを見て、クピピはようやく落ち着きを取り戻した。
「あの……神子様……話は変わるなのですが……」
「何でしょう?」
 機嫌の良さそうな神子に、クピピは慎重に話した。
「先程、ミッション中の冒険者二人から報告があったなのです。夕方には正式な報告書をお届けするつもりなのですが……」
 ズババが目を細めた。
「……外ホルトト遺跡の様子がおかしいとのことなのです。詳しいことはわからないなのですが……そこにいる野良カーディアン達の様子が……変だと……」
 神子の顔に緊張が走った。カーディアンの暴走……ジョーカーの事件が脳裏に蘇る。ズババがやや大きな声でクピピを制した。
「わかりました。ホルトト遺跡は、獣人ヤグードどもとの和平条約においても問題になる重要な場所。調査隊を向かわせましょう。正確な情報が必要です」
「ありがとうございますなのです」

 クピピが去った後の部屋で、ズババが神子に確認を取った。
「大げさかもしれませんが……調査隊は口の院院長アジドマルジドに編成させたいと思います」
「ぜひ、そうしてください」
 サシュカシュは自由な冒険者……天の塔がウィンダスで最も頼れる大きな存在が、口の院院長アジドマルジドである。口は悪いが信頼できる……その魔法力も……忠誠心も。
(サシュカシュがアジドマルジドと二人でウィンダスを護ってくれたら、どんなに心強いか……。いえ……私がしっかりしなければ……)
 調査隊の報告を待つしかない……そう腹をくくる神子であった。

 ~(3)へ続く


コメント

こんばんわ(^ー^)
今回の作品は新たな謎満載ですね。
ホノイゴモイ氏との関係をよろしくないものにした「依頼」とは!?
ま~ホノイゴモイ氏は些細なことでも直ぐ怒りそうな人物構成がされているので、
あまり大した依頼ではないのかも知れませんが(^^;)またしても想像しすぎかな。

ジョーカーの事件は、スターオニオンズはおろか、ウィンダスを統一する神子をも緊張させる出来事・・・・。
「念のため・・」とは言いつつも、特に信頼の厚いアジドマルジドに調査隊を編成させる事を了承した神子。
う~ん、な~んかきな臭いo(゚◇゚o)
サシュ達と調査隊が遺跡で遭遇するであろう真実に、どの様に感じ、行動していくのか。
色々な意味で「始まりの予兆」を感じさせる作品になっていると思います。

先の一件でより深まった三人の結束・・・・
再び動き出した世界・・・・・・・

今後の展開も楽しみです(*^^)

PS
私もFFXIの小説に挑戦することに決めました。
まだ登場人物や、構成、取材など、
少ししか出来ていないので、いつになるやらわかりませんが(^^;;
でも形にはしたいと考えています。
いつか、「カーバンクルカーズ」と競演!
な~~んで夢みたいなことを考えてみたりして(@゚Д゚@;)

大変そうだけどお互い楽しみながら頑張りましょうねσ( ^ー゚)

でわ。

◆ほわいとぉさん
こんばんは!
今回も暖かいコメントをありがとうございます( ̄▽ ̄〃

えーと、ホノイゴモイ氏の依頼とジョーカー事件の詳細は永久に謎のままかも……しれません( ̄▽ ̄;
というのは、これらは、ウィンダスのクエやミッションそのものだからです。
といっても、このままではあまりに不親切なので、概要程度は、後で出すことになると思いますが。
あと、ジョーカーの事件については、墓に眠る母子の部分が完全にオリジナルですので、その部分は少し詳しく描くかも。
それが、ホノイゴモイ氏の依頼と絡むとまたオリジナルの展開が広がっていいなと思います……まだ未定ですけどw

前回、今回はおっしゃる通りまだ導入部分ですので、次回から期待にそえる展開ができるといいのですが……どきどき( ̄▽ ̄;

ほわいとぉさんのFFXIの小説、とても楽しみです!
ブログ連載……になるのでしょうか?
その時は、ぜひぜひリンクさせてくださいね~( ̄▽ ̄〃
競演も楽しみです♪

クルエルサイズかぁ。

なるほど、ブログ記事とリンクしてる箇所も用意してるんですねw

微笑ましかったです。

◆ひーさん
ブログ記事とリンクしているというか……シェンもそうだったんですが、自分が闘ったことのある相手じゃないと、登場させにくいですw
たぶんこれからもそうですね~。
……あるいは、でっちあげるかw

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