ささやかに駅メモ!

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駅メモ!の世界に足を踏み入れたところ、なんだか楽しいのでそのまま彷徨い始めました。ウロウロ。怖くないですよ?

Cカーズ7-4

 
FFXI小説「カーバンクル・カーズ」
 目次
 登場人物紹介
 第一話 白絹の少女 (1) (2) (3) (4)
 第二話 罠 (1) (2)
 第三話 黒き雷光団 (1) (2) (3) (4)
 第四話 下層の歌姫 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9)
 第五話 刺客の価値 (1) (2) (3) (4) (5) (6)
 第六話 依頼と報酬 (1) (2) (3) (4) (5) (6)
 第七話 月虹の契約 (1) (2) (3)


 第七話 月虹の契約 (4)

 目を閉じていてもまぶた越しに感じられる強く青い光。まぶしくて、とても目を開けることができない……。
 どこからか呪文のようなフレーズが聞こえた。

 ハルタ・クレ・アヤ・デ・ラトレ 失われた指を

 ……意識が飛んだ。

 再び意識を取り戻し始めた時、青く眩しい光はまだあって、やはり目を開けられなかった。誰かの声が聞こえる……。
「……母なるクリスタルの祝福ある人、また会ったね。キミがこんなことになるなんて……キミにとって彼女は、キミの世界を引き換えにするほど大切な人なんだね」
 聞き覚えのある声……口調……。しかし、意識が混濁して誰だか思い出せない……。
「でも、こうなった責任の一端はボクにもあるみたいだ。キミたちの指にはまった指輪は、古い時代にボクがクリューの民に作らせたモノ……ボクの存在に反応して光り、その波動にランドルフが引き寄せられた」
 指輪……そうだ……指輪のせいで冒険者レベルが制限されて……。
 自分で指を切り落とした……何のために……ミサヨを助けるために……ミサヨは無事なのか?
 サシュの拡散した意識が集まり始めた。青く強い光を遮ろうと、右手の甲で閉じた目を覆う。
「今のボクに使える限られた力……浮遊と浄化の力をキミに。残念ながら毒のせいでキミの中指は死んでしまったけれど、身体に残っていた毒は全て消えたよ」
 右手を下げていくと光が弱くなったので、うっすらと目を開けてみる。腹部に当てた左手の上に右手を重ねることで、青い光はほとんど遮られた。
 ……光源は、自分の左手にあったのだ。
 身体は仰向《あおむ》けに横たえられていて、遠くに黒い空と崖の先端がかすかに見えた。重力は感じるのに背中に圧力を感じない不思議な感覚……サシュの身体は空中に浮いていた。
「もう大丈夫だろう……ボクは行くよ。残り少ない力を使ったからね……しばらく眠ることになる……」
「……待ってくれ、霊獣カーバンクル!」
 思った以上にはっきりと声が出た。上半身を起こすと、そのまま両脚が下がり、草むらに足が着く。
 谷底にしっかりと立ったサシュの目の前に、サシュよりひとまわり小さい霊獣カーバンクルが浮いていた。
「教えてくれ、カーバンクル・カーズのことを。その治療方法を」
 そのために、ここまで来たのだ。一度は生を諦めたことは、棚上げさせてもらう……聞くチャンスは今しかないと思った。
「……時間がない……から……よく聞いて」
 黙って頷くサシュ。
「はるか古《いにしえ》の日々に母なるクリスタルを覆った闇は、ボクが身を犠牲にしただけでは完全に消すことができなかったんだ……」
 カーバンクルは語った。
 消えたように見えた闇は浄化しきれておらず、一部は世界に拡散しただけだったと。
 その闇はおよそ百年に一度の頻度で人の身体に異変を起こすようになった。それが、カーバンクル・カーズ……病気でも呪いでもない……母なるクリスタルを危機に陥れたほどの〝闇〟という存在そのものである。
 一度は滅びるはずの世界が救われた……その代償が、カーバンクル・カーズだったのだ。
「だから……ボクは……ボクの残った力を使って作らせたんだ……今のボクではもう作れない……指輪を……」
 霊獣カーバンクルの声が小さくなってきた。今のカーバンクルは昔のように強大な力をとどめていない。サシュのために少し力を使ったくらいで、眠りを必要としていた。
「あの場所に行くんだ……扉は……開けておくから……」
 空気に溶けるように消えていく霊獣カーバンクルの姿。
「待ってくれ! 治療法を教えてくれ……!!」
「……キミには……母なるクリスタルの祝福が……」
 霊獣カーバンクルの声が途絶え……姿が完全に消えた。

 不意に、サシュの顔に雨粒が当たり始めた。身体を包んでいた浮遊の魔法の影響が完全に消えたのだ。ラテーヌ高原は未だ雨空に包まれている……。
 流れる雨水で眼鏡のレンズを濡らしたまま、サシュは静かに立っていた。
 霊獣カーバンクルの言葉を一言一句頭に刻むのだ。そして考えろ……その言葉の意味を……ヒントは与えられたのだから。

 声が聞こえた。
「サシュー……!聞こえたら、返事をしてー……!」
 ハッとするサシュ。その声を聞いただけで、全身が不思議な温かさに包まれた。
 ……ミサヨの声だった。
 すぐに、濃い霧の中からミサヨの姿が現れた。
「ミサヨ……!」
「……! ……サシュ!!」
 一瞬、時が止まったかのように固まるミサヨ。それから顔をくしゃくしゃにして駆け寄り、うむを言わさずサシュの小さな身体を抱きしめた。
「……サシュ……生きてた……私……よかっ……」
 震えて泣いている……。
 この雨が降る深い霧の中を、どんな気持ちで探し回ってくれたのか……それを思うだけでサシュも言葉に詰まり、そっとミサヨの背中に腕を回した。
「心配かけて、ゴメン……」
 思わず腕に力が入る。ミサヨの冷え切った身体は、思っていた以上に細かった。
 俺はバカだった……ミサヨの好意を勘違いしないように、自分に言い聞かせていた。でも……ミサヨの気持ちは関係なかったんだ……。俺の……ミサヨに対する気持ちが、はっきりしてしまったから……。
 カサネネ……君は怒るだろうか……? いや、間違いなく……笑うだろうな……。
 白い霧が、二人を世界から隔絶していた。

   *

 ふとサシュは気づいた。あれほど眩しかった左手の青い光が消えている。
 ミサヨから身体を離しながら、じっと自分の左手を見つめた。そこには、欠けてなくなっているはずの中指があった。
 ……そして、忌々しい〝呪いの指輪〟が……今度は薬指にはまっている。
 ミサヨもそれに気づいた。
「サシュ……中指が……」
「……うん」
 カーバンクルは、〝中指は死んだ〟と言っていなかったか?
 中指は問題なく動く……間違いなく自分の指だ。
 サシュは霊獣カーバンクルに出会ったことを簡単にミサヨに話しながら、謎の核心に迫りつつあった。ミサヨが〝呪いの指輪〟をはめた時には、一晩で髪が五十センチも伸びたという……。
(……そうか……そういうことだったんだ)
 首のチョーカーに意識を集中して、心で話しかけるサシュ。

 サシュ: みんな……次の目的地が決まったよ
 カリリエ: ………!
 ラカ・マイモーヴ: ………!! 
 ジークヴァルト: 生きてたか!
 ザヤグ: ふ……
 カロココ: サシュ、アンタさ……
 アンティーナ: ……その前に言うことがありませんこと?
 ラカ・マイモーヴ: そやで、サシュはん♪

 サシュは大いに面くらった。カリリエとアンティーナにLS会話をしただけのつもりだった。

 カリリエ: サシュ……良かっ……た……

 サシュは目の前のミサヨを見た。ミサヨの首には、ミニブレイクのチョーカーがつけられている。
「あはは……詳しいことは後で話すけど」
 ミサヨはイタズラがばれた子供のような顔をしている。
「このチョーカー、たくさん作ってみたんだ」
 サシュは、たくさんのパールを袋ごとミサヨに渡していたことを思い出した。

 サシュ: カリリエ、心配かけてごめん
 サシュ: みんなも……ありがとう

 ミニブレイクと黒き雷光団という大所帯で捜索してくれていたのだと理解するサシュ。自分はなんて恵まれた人間なのだろう……。
「ありがとう、ミサヨが声をかけてくれたんだ?」
 頬を赤く染めて、黙って横を向くミサヨ。

 ミサヨ: 崖を上がった場所で待ち合わせしよう

 ミサヨの案を了承するたくさんの返事がチョーカーに流れた。

   *

 およそ二時間後。サシュとミサヨが、なんとか谷底を抜け出すルートを見つけて崖の上に姿を見せた時、カリリエ、アンティーナと黒き雷光団の面々がすでに集まっていた。カリリエとアンティーナが近寄って、容赦なくサシュの左手を持ち上げ、中指を確認した。
「もぅ……ミサヨから聞いた時には、心臓が止まるかと思ったんだから!」
「あの話……まだ諦めていませんわよ。無事で良かったですわ」
 サシュは、カリリエとアンティーナが心配してくれる気持ちが、素直に嬉しかった。
 少し間を置いてからミスラのラカが進み出て、尻尾を揺らめかせながら口を開いた。
「サシュはん……ウチらから話あんねんけど、ええ?」
 ラカが犬歯の目立つ歯並びを見せて、ニヤリとしている。

 いつの間にか雨が止んでいた。空に浮かぶ雲は途切れ途切れで、隙間から綺麗な星空が顔を覗かせている……。

 ~(5)へ続く


コメント

もうなんか入り込んじゃうね~
ミサヨさんの計画バッチリだったのかな?
仲間が心配してくれて感動ですな(゜ーÅ)

◆さとぽん
いつもコメントありがと~!
ミサヨの計画って……計画なんてあったっけ?Σ( ̄▽ ̄;
物語は、なんだか思ったより早く終わらせられそうな気がしてきた。
……けど、どうだろうな~( ̄▽ ̄;

おおーーっ、なくなった中指が…\(^O^)/まさか、ミニブレイクと黒き雷光団がひとつに……w(°0°)w

◆ヒデタルさん
コメントありがとうございます~^^
中指の件は……うーん今回、いろいろと暴露しすぎたかも。
サシュが気づいたように、気づいた人も多い気がします。
ミニブレイクと黒き雷光団の件は、あまり難しいことは考えていませんw

うぉぉ!!物語が佳境にむかってる!!
意味深なフレーズも出まくりんぐ!
そして、今日、久しぶりに寝る前にミニブレイクをつけた俺がいた。
さしゅさん居なかったけど(つД`)

指を切り落とす覚悟こそ漢(ノ∀`)コワイヨママソ

URL変更となりましたのでご連絡させていただきまs
お手数ですがよろしくお願いします_(。_。)_

◆アネさん
コメントありがとうございます♪
小説の方は終わりが見えて来ました。
もう少し、がんばりますw
朝、起きるのがつらいので、早く寝ているのですよ~w
まだパールを持っていてくれたんですね( ̄▽ ̄)/
ミニブレイクをつけると、高確率でさとぽんとLS会話ができます。
たまに、たるなさんともLS会話ができます。
これだけで、かなりの価値がありますね!
これからは入会金と年会費を取れるかもしれないw
でも、私もいたりするから無理だー( ̄▽ ̄;
えこさんもまれにPOPするし……w

◆らぞー
コメントありがとうございます~。
リアルで自分から指を切り落とす場面なんてあまりない気がしますw
URL、変更しておきました~。
ご連絡ありがとうございました!

主人公は助かると思っていましたが、まさかカーバンクルが助けて
くれるとは、にくい演出ですね!

今回の話しは、本編の謎の確信に迫るいいストーリーだと
思いました。

指輪の作られた経緯と、その秘められた真の効果とは!

ただ、そんな貴重な指輪を、どうやってベッケルが大量に手に入れる
ことが出来たのが不思議です。

ところで、せっかくはずした指輪ですが、治療のために再びはめたので
またLV制限がかかるんでしょうね・・・

◆Leppardさん
コメントありがとうございます!
にくい演出……気に入っていただけたのなら嬉しいです。
指輪の件はネタバレになってしまうのでここに書けないのですが、すぐにわかるもの、いずれわかるもの、永久にわからないものがあるかも。
この先、楽しんでいただけるといいなぁと思います。

カーバンクルが助けてくれるってのは予想してたけど、中指のトリックは見破れなかったな・・・、中指無いのも味があってカッコイイなぁ!って発想しかできなかったです^^;ミサヨの髪が伸びたっていう複線がここで活きてくるとは、流石だぁwww勘の良い人なら、ここらでちょいと気づかされたかもしれないね。ま・・・ハズレたらやなんで書きませんけど・・・、なんか良い意味で裏切られて悔しい思いしそうだなw

◆ひーさん
いつもコメントをありがとうございます!
今回、たくさん情報を出してしまったので、読んでくれている方々がそれぞれ色々な予想をしてくれているなら、当たっている方も多いと思いますw
ですので、良い意味で裏切れる自信はありません~( ̄▽ ̄;
中指のことは、少しだけ書いてしまうと、無条件で元通りということにはなっていません。
今書けるのは、ここまでです……。

こんばんわ(*^^)
コメント数が沢山で、同じ「カーバンクルカーズ」を読む読者として、とても喜ばしく思います( ̄▽ ̄)
私も感じたことが、図らずも皆様が代弁してくださっているみたいなので
あえて私のコメントは控え、引き続き「カーバンクルカーズ」の世界を
じっくり堪能させていただきたいと思います。y(^ー^)y

この作品に追いつけ追い越せとばかりに
私も小説の製作に没頭して、今度はサシュさんに注目して楽しんでもらえるような物語を書き上げられるよう頑張りますので、今後も、ブログ共々よろしくお願いしま~す。ヽ(‘ ∇‘ )ノ

PS
小説が終焉を迎えてしまうのは正直寂しいですが
ラストまで!!ガンバ!o( ̄へ ̄o)(o ̄へ ̄)oガンバ!
♪まったたまった~~~りとです(((*'ー'*)ノ

◆アポロディオさん
いつもコメントをありがとうございます!
あら……いつも褒めちぎる(w)アポロディオさんのコメントがありがたくて楽しみなのに、今回は控えられたのですね、残念( ̄▽ ̄;
小説の方、楽しみにしています^^
応援、ありがとうございます~♪

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