ささやかに駅メモ!

駅メモの旅先でたまに娘キャラ活動と出会うブログ
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駅メモ!の世界に足を踏み入れたところ、なんだか楽しいのでそのまま彷徨い始めました。ウロウロ。怖くないですよ?

Cカーズ8-1

 
FFXI小説「カーバンクル・カーズ」
 目次
 登場人物紹介
 第一話 白絹の少女 (1) (2) (3) (4)
 第二話 罠 (1) (2)
 第三話 黒き雷光団 (1) (2) (3) (4)
 第四話 下層の歌姫 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9)
 第五話 刺客の価値 (1) (2) (3) (4) (5) (6)
 第六話 依頼と報酬 (1) (2) (3) (4) (5) (6)
 第七話 月虹の契約 (1) (2) (3) (4) (5)


110803 8話

 第八話 裏切り人形 (1)

 爽やかに晴れたラテーヌ高原を、三羽のチョコボが西に向かって走っている。ホラの岩のそばにいる出張チョコボ屋から借りたチョコボだ。
 乗っているのは、サシュとカリリエとアンティーナ。他のメンバー……元黒き雷光団《ブラックライトニング》のメンバーは、サシュとアンティーナによるデジョンIIの魔法でサンドリア王国に戻っていた。
 次の目的地であるソ・ジヤ遺跡はレベル50制限。遺跡に入れば全員のレベルが50以下まで下がり、レベル51以上の武器や防具は役に立たなくなる。そこで、遺跡に行く前にサンドリア王国に寄って冒険の準備をやり直すことにしたのだ。黒き雷光団のメンバーは全員がホームポイントをサンドリア王国に設定していたので、デジョンIIにより一瞬で移動できた。しかし、カリリエのホームポイントはジュノ大公国だったし、サシュとアンティーナはウィンダス連邦だったので、三人はデジョンで移動するわけにはいかなかったのである。
 三人のレベル50用装備もミサヨ達が調達することにして、東ロンフォールにあるラングモント峠入口で落ちあうことになっていた。

 サシュ: ウィンダス連邦に帰った時に、ついクセでホームポイントを設定し直しちゃったからなぁ……
 サシュ: そうでなければ、俺も一瞬でサンドリア王国に跳べたのに

 サシュがLS《リンクシェル》会話で何気なくそう言った時、アンティーナが急にサシュの前に出てチョコボを止めた。慌てて自分のチョコボを止めるサシュ。
「どうした、アンティーナ?」
 カリリエも慌てて止まった。驚くサシュには無言のまま、アンティーナはいきなりLS会話で提案した。

 アンティーナ: せっかくの機会ですので
 アンティーナ: 三人で話したいのですが、よろしいですか?

 突然のアンティーナの申し出に、ミニブレイク全員がしばし沈黙した。最初に言葉を発したのはミサヨだった。

 ミサヨ: サシュがよければ、どうぞ
 ミサヨ: 正午までにはラングモント峠入口に来れる?
 アンティーナ: チョコボで移動しながら別のリンクパールで話します
 アンティーナ: こちらのLS会話はしばらくできなくなりますが、遅れることはありませんわ

 特に断る理由はない……サシュは認めることにした。

 サシュ: わかった……話が終わったらすぐにミニブレイクに戻すよ
 ミサヨ: またね

 サシュとカリリエの前で、アンティーナが白いリンクパールを取り出してみせた。そのパールの装飾を一目見て、サシュの表情が固まった。
 ベッケルから渡された〝呪いの指輪〟についていたのと同じパールだ……!
 サシュもミサヨも、指輪からもぎ取って捨てた白いパールである。ベッケルが部下の目印だと言っていた……。
 すっかり忘れていたが、サシュはアンティーナがベッケルの部下だったことを思い出した。
「こんなパールしか持ち合わせがありませんが……ベッケルが姿を消してからは使用されていないようですわ」
 互いにチョコボに乗ったまま、アンティーナから白いパールを受け取るサシュとカリリエ。ミニブレイクのチョーカーを外すと、再びチョコボを走らせ、ポケットに入れた白いパールに意識を集中する。
 意識に浮かんだLS名は、エリシウム(Elysium)……〝理想郷〟という意味だ。
 このパールをつけているのが、サシュ以外にアンティーナとカリリエだけであることはすぐにわかった。つけている者の名前とおおよその居場所まで把握できるのも、リンクパールの特色である。

 アンティーナ: 突然、すみません
 カリリエ: どうしたの? この三人だけで話すことって……思いつかないんだけど

 アンティーナがいなければ、サシュと二人きりなのに……と、漠然と思っていたカリリエだが、彼女に敵意はない。一度はサシュを殺そうとしたアンティーナ……だが、ホルトト遺跡でサシュを救ったのも事実だ。そして今は、同じミニブレイクのメンバーとして認めている。
 ……アンティーナの発言は唐突なことが多いが、この時もそうだった。

 アンティーナ: サシュは、カリリエのことをどう思っていますか?

 心臓が止まりそうになるカリリエ。だがアンティーナの言葉はさらに続いた。

 アンティーナ: カリリエは、サシュのことが好きです
 アンティーナ: いつまでも故人のことを想うより、今の……
 カリリエ: ちょ……、ちょっと待ってよ……!!

 全く予想していなかったアンティーナの発言に、カリリエは慌てふためいた。

 カリリエ: ど……どういうつもりなの、アンティーナ!?
 アンティーナ: あなたなら、サシュにふさわしいと思います

 アンティーナは、ミサヨの気持ちもサシュの気持ちも知らない。ただホルトト遺跡の一件で、カリリエの気持ちには気づいていた。
 LS会話に訪れた静寂。
 無言でチョコボを疾走させる三人の横で、大きな池が水面を光らせている。

 カリリエ: サシュ……

 前を走るサシュには見えなかったが、カリリエの顔は真っ赤だった。

 カリリエ: 今は、何も言わないで……ただ……

 カリリエは自分の気持ちにウソをつきたくなかった……だから否定はしない。でもミサヨの気持ちを知っている……それに……今は、マリィのことが優先されるべきだ。気持ちの決着は、その後の方がいい……。
 だが、自分の気持ちを知られた以上、サシュに伝えておきたいことがあった。

 カリリエ: 歌うこともウイカも置いて、私がここまで一緒に来たのは……
 カリリエ: 指輪のためじゃない……指輪のせいで困っていることなんて、私には一つもなかった…… 
 サシュ: カリリエ……
 
 サシュは驚いていた。ミサヨとカリリエが、自分に好意的なことは知っていた。特にミサヨは、男として見ているかどうかは別として、特別に好意的だと感じていた。だが、カリリエの気持ちには全く気づいていなかったのだ……。
 子供のような外見のタルタル族は、他種族から好感を持たれやすい……それだけのことだと思っていた。
 カリリエという歌姫は……最高の美貌と最高のプロポーション、そして最高の声を持つ最高の女……世の男たちの理想を形にしたような女性だ。
 ……でも……今の自分に、心からの安らぎをくれるのは……。
 「今は何も言わないで」と、カリリエは言った。カリリエは……俺の気持ちに気づいているのかもしれない……。

 カリリエ: ところで、アンティーナに聞きたいことがあるんだけど

 カリリエがいきなり話題を変えた。

 アンティーナ: な……何ですの?

 いきなり爆弾発言をした後は黙ったままだったアンティーナ。今度は彼女が驚く番だった。

 カリリエ: あなた、焚き火の時、布で身体を隠していたけど……
 アンティーナ: ええ……

 アンティーナは、ギクリとした。身体を隠していた理由がアンティーナにはあった。
 ……だが、その理由をカリリエが知るはずがないと思った。

 カリリエ: 背中に大きな……アザがない?

 なぜカリリエが突然そんなことを言い出したのか、サシュにはわからなかった。かつてアンティーナは、サシュのモグハウスで半裸になった。だが……背中を見た記憶は……ない……。

 アンティーナ: …………

 アンティーナはすぐには答えなかった。

 カリリエ: ……あるのね?
 アンティーナ: ……ありますわ
 アンティーナ: どうしてそれを?

 アンティーナの疑問はもっともだった。どうしてそんなことを、カリリエが知っているというのか。

 カリリエ: ふーん……あるのか……

 次のカリリエのセリフは意外なものだった。

 カリリエ: ザヤグがね……あるんじゃないかって言ってたの
 アンティーナ: ザヤグさん……あのガルカ族の方ですか
 カリリエ: そうよ……私の一番大切な人

 アンティーナは驚いた。小さい頃から、ガルカ族の知り合いなどいない。ブレソール卿の屋敷に次々と現れた先生たちの中にもガルカ族はいなかったはず……。
 それに……このアザは生まれつきあったわけじゃない。このアザができたのは、ベッケルに……。
 アンティーナの脳裏に、忌まわしい記憶が蘇った……。

 チョコボはラテーヌ高原を抜けて、ロンフォールの森に入っていた。

 サシュ: そろそろリンクパールを、ミニブレイクに戻そう

 そう言ったサシュは、自分の横を走っているアンティーナを見て驚いた。チョコボを走らせながら……彼女は涙をぽろぽろとこぼして泣いていたのだ。
(……私は……一生、ベッケルから逃れられないのですわ……)
 その孤独な涙のワケを聞くことは、サシュにはできなかった。そしてアンティーナから誰かに話すこともなかった……。

 白いパールから意識を外す瞬間。その一瞬に、サシュは何かに気づき、もう一度白いパールに意識を集中した。
 アンティーナもカリリエも、パールから意識を外した後だ。そこには誰の気配もなかった。
 パールを外す瞬間、誰かが……アンティーナでもカリリエでもない誰かが、同じパールをつけている感覚があった。
(気のせい……か?)
 チョコボが切り株につまづきそうになり、慌てて体勢を立て直すサシュ。それから急いでチョーカーをつけた。

 サシュ: もうロンフォールの森に入った
 サシュ: そっちは、どう?

 LS会話に、ラカの声が明るく響いた。

 ラカ・マイモーヴ: もう着いてるわ! 早ょ、きぃや♪
 ミサヨ: おかえりカリリエ、アンティーナ、サシュ
 カリリエ: ただいま~

 合流地点はもうすぐだ。その後は徒歩でラングモント峠の地下道を抜け、ボスディン氷河に向かうことになる。その雪原に……目的地のソ・ジヤ遺跡があるのだ……。
 今は、マリィを救うことに集中しよう……そう決意するサシュであった。

 ~(2)へ続く


コメント

明日から、かみさんの実家に2泊3日で出かけてきます。
というわけで、今回も土曜日アップになりました。
レスは遅れますが、皆様のコメントをお待ちしております。

……試験の勉強、しなくちゃ!

白のパールを誰かが…まさか、ベッケル…w(°0°)w

◆ヒデタルさん
どうでしょうね~。
ほんとにサシュの気のせいだったりしてw


これから出掛けます。
今、ビシージで死者達に男将軍達が全滅したっぽいです。
これに勝ってもすぐにマムージャがひかえています。
ビス鯖の参加者の皆様、がんばってください~!
ではまた2日後に( ̄▽ ̄)/

投稿小説サイトで見つけて覘かせてもらいました。

すごく面白くて、一気に全話読ませて頂きました。
続きを楽しみにしとります。

◆メキシカンアフロさん
コメントをありがとうございます。
面白いと言っていただけるのは、何よりも嬉しいことです。
毎週日曜日更新を目安に最後まで書き上げたいと思っていますので、今後もよろしくお願いします。

elysiumか、ここはelysionのシゲ小説とのリンク?
・・・そんなん深い意味は無さそうだwww
ついつい、そっちに考えが行ってしまった^^

しかし、日曜日に更新できないから前日にアップとは、定期性を欠かさないさしゅさんの意欲には敬意を表します。

うむ、参った。

さて、次に行くぞー。

◆ひーさん
うは、全然気づいていなかった!
Elysiumは、てきとーに1分くらいで決めた気がしますw
定期性は、自分で決めたことなので、なるべく守りたいと思っていますよ。
なるべくですけどw

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