ささやかに駅メモ!

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駅メモ!の世界に足を踏み入れたところ、なんだか楽しいのでそのまま彷徨い始めました。ウロウロ。怖くないですよ?

Cカーズ10-5

 
FFXI小説「カーバンクル・カーズ」
 目次
 登場人物紹介
 第一話 白絹の少女 (1) (2) (3) (4)
 第二話 罠 (1) (2)
 第三話 黒き雷光団 (1) (2) (3) (4)
 第四話 下層の歌姫 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9)
 第五話 刺客の価値 (1) (2) (3) (4) (5) (6)
 第六話 依頼と報酬 (1) (2) (3) (4) (5) (6)
 第七話 月虹の契約 (1) (2) (3) (4) (5)
 第八話 裏切り人形 (1) (2) (3) (4) (5) (6)
 第九話 光陰の中で (1) (2) (3) (4) (5)
 第十話 決着 (1) (2) (3) (4)


 第十話 決着 (5)

 生命の危機を前に脳がフル回転し、世界がスローモーションで動いた。
 聖剣が間違いなく自分に向いていると確信したサシュ。エネルギー流の直径は六十センチ程度。少し離れているアンティーナには、たぶん当たらない。
 左にいるカリリエと右にいるミサヨを、開いた両手で同時に突き飛ばそうとしてみる。それが精一杯だった。思考速度に筋肉の動きがついて来ない……まるで自分のものではないように、腕が重く感じられる。俊敏なラカのようには動けなかった。
 カリリエとミサヨの驚く顔。
 正面の聖剣を見据えたままのサシュには見えなかったが、彼女たちの身体がゆっくりとよろめくように離れるのを感じた。とっさのことで、あまり力が入らなかったが、それで十分だ。
 ……聖剣によるエネルギーの通り道からは外れただろう。
 自分には白魔法・明滅《ブリンク》の効果がまだ一回残っている。運が良ければ助かる。悪ければ……もう二度とこの世界で生きることはできない……。
 死ぬ前に……思いっきり、ミサヨを抱きしめたかったなぁ……。
 と、そんなことを考える自分は変だろうか……?

 いきなり。
 何かが目の前数センチを横切って、サシュの視界を塞いだ。
 その理由をサシュが把握した時には、頭の右に軽い頭痛が生じていた。
 サシュの大きな頭に、ミサヨの額《ひたい》がぶつかったからだ。ミサヨが腕を回してサシュの首に抱きついていた。視界を一瞬塞いだのは、ミサヨの腕だったのだ……。
 テル……にしては、はっきりと言葉になっていない思考が、サシュの頭に流れ込んだ。

  メノマエデ タイセツナ ヒトガ シヌノハ モウ イヤ ……

 アゴに当たっているミサヨの腕が震えている。サシュの思考が、通常の速さに戻っていた。彼女の身体に、ブリンクはかかっていない。とっさの行動だったのだろう……サシュは、その無茶な行為に驚くよりも、怒るよりも前に……優しい気持ちになっていた。
「ミサヨ……前を見て」
 サシュの言葉……聖剣からの攻撃は、来ていなかった。涙目で赤くなった顔をゆっくりと離したミサヨが、ベッケルの方を見る。
 カリリエもアンティーナも正面を見つめていた。

 巨大な黒い翼を広げ、中空に浮く異形の霊獣。その外見は、デーモン族によく似ている……。
 左手には、カーバンクルの聖剣が。右手には、動かないベッケルがぶら下がっていた。
「つまラヌ 終わり方だっタガ まぁマァ 楽しメタ……」
「ディアボロス……」
 サシュの顔から緊張が伝わる。
 聖剣は、指輪に代わる新しいコレクションにする……と霊獣は言った。
 そしてサシュ達の目の前で、突然……。
 ベッケルの黒こげの身体が、足先からボロボロと崩れはじめた。
「闇ニ 身体ヲ 喰われたモノハ……」
 ディアボロスの言葉を、サシュが引き継いだ。
「……ディアボロスの夢の世界デュナミスで、心だけが永遠に生き続ける」
 ベッケルの身体が闇に……カーバンクル・カーズに喰われているのだと理解する。ディアボロスが闇を集めたのだとしか考えられない。
「闇ハ 世界ジュウニ 拡散シテ 満ちテイル。カーバンクルのせイデ……」
 ディアボロスの言いたいことが、サシュにはなんとなくわかった。はるか古《いにしえ》の日々に、カーバンクルがその身を犠牲にして母なるクリスタルを闇から守った。その結果として、一度は世界が滅亡から救われた。
 しかし闇は……薄れて世界中に拡散しただけだった……。
 カリリエが調べたウィンダスの禁書に書かれていたことと、ラテーヌ高原の谷底で霊獣カーバンクル自身が語ったことだ。
「闇ハ 人を喰らッテ 消滅スル。その意味ガ わかルカ 人ヨ?」
 この世界の闇を完全に消すには……人が犠牲になり続けるしかない。
「私のデュナミスだケガ 闇ニ 喰われた人ヲ 救えるノダ……」
「…………」
 サシュには、何も言えなかった。
 霊獣たちは、それぞれのやり方で世界を守ろうとしている。救う〝世界〟の定義の中に、生きている〝人〟を含めるかどうかの考え方に違いがあるだけだ……。
 ベッケルの身体が全て崩れ、消え去った……。
 夢の世界デュナミスの住人に加わったのだろう。そこの住人たちさえも、ディアボロスのコレクションなのかもしれない……。
「退屈な日々ガ また始マル……」
 霊獣ディアボロスが、空中で背を向けた。
「消えるナラ 今のうチダ 人ヨ……」
 ……サシュは近くに三人がいることを確認し、迷わず黒魔法エスケプを唱えた。
 長い詠唱の後……ディアボロスの背中が視界から遠ざかっていった……。

 ~第十話完、最終話へ続く


コメント

>ベッケルの身体が闇に……カーバンクル・カーズに喰われているのだと
なるほどー
カーバンクル・カーズにかかって体が消えていった人達はデュナミスにいっていたのか!
うーん、渋いクライマックスでした。

それにしても、
>怒ったディアボロスがベッケルを闇の世界に飛ばせばいいのにw
・・・と前回コメントで書きましたが、いい線ついてたんですね。(/grin)

◆Leppard
いえそこ、にやりとするとこじゃないですから!
困りますよダンナw
思っても書かないでください、はい、お願いします( ̄▽ ̄〃
……やっと次は、最終話です。

やはり最後はディアボロスの手で消えるか(/grin)

◆ヒデタルさん
うんうん、終わってから「やはり」は、おっけーすよw
もう少しで終わりです!

戦い、怒りというより
心で終わったというのかな?

◆さとぽん
怒りで闘ってる感じじゃないよね。
このへんは、もし、あとがきを書くことになったら書こうかな( ̄▽ ̄;

悪魔の気まぐれ?
それとも、悪魔も惚れる漢 「サシュ・カシュ」?(*^-^)
ディアボロスってば、ツンデレなのね・・・w

◆Aryuさん
ふふ……書き終わった内容の解釈は読者さんにお任せです♪
というのは、言い訳でw
ディアボロスのキャラは難しく設定しちゃったので、ちょっと書ききれていないところがあるかなぁと自分で思っています。
ですので、人によって印象が違うかも……あはは( ̄▽ ̄;

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