珈琲は一日二杯まで

あずの気が向いたときに気が向いたことを書く場所です

ゲームのことを書いたり、絵を描いたり、漫画を描いたり、小説を書いたり、適当に何でもありな趣味のブログです。

Cカーズ11-3

 
FFXI小説「カーバンクル・カーズ」
 目次
 登場人物紹介
 第一話 白絹の少女 (1) (2) (3) (4)
 第二話 罠 (1) (2)
 第三話 黒き雷光団 (1) (2) (3) (4)
 第四話 下層の歌姫 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9)
 第五話 刺客の価値 (1) (2) (3) (4) (5) (6)
 第六話 依頼と報酬 (1) (2) (3) (4) (5) (6)
 第七話 月虹の契約 (1) (2) (3) (4) (5)
 第八話 裏切り人形 (1) (2) (3) (4) (5) (6)
 第九話 光陰の中で (1) (2) (3) (4) (5)
 第十話 決着 (1) (2) (3) (4) (5)
 最終話 旅立ちの朝 (1) (2)


 最終話 旅立ちの朝 (3)

 カリリエがもう一度ベッドに横になった時。枕の下に入った右手に、何かが当たった。
 チャラリと音がしたそれを、手にとって眺めてみる……。
 指からぶら下がる細いシルバーの鎖の先には、銀の小さなプレート。その表面に固定されたさらに小さなツヤ消しブラックのプレートに、淡い紫色がかった白いパールが埋め込まれている。
 ……ミニブレイクのリンクパールだ。
「……そういえば、ちゃんと解散宣言してなかったよね」
 まだ誰かが付けているのだろうか……。
 カリリエは、ほんの軽い気持ちで……パールに意識を集中してみた。誰かがつけていれば、すぐにわかるはずだ。
「…………」
 目と口を開けて、しばらくぽかんとした表情になるカリリエ。
「ぷ……!」
 そして、いきなり噴き出し、大笑いを始めた。
「あは……あははははは! ……まいったな、これ♪」
 ベッドから起き出しても、まだ笑っている。
(もう……やってくれるなぁ。気持ちを切り替えるしか、ないじゃない?)
 窓のそばに立って、カーテンを開けた。
 眩しい朝陽が、小さな部屋を光で満たした……。

   *

「……そう言えば何なんだヨ、カロココ?」
 ジュノ港の飛空艇発着場で、ジークがカロココをつついた。ミサヨ、ラカ、アンティーナも、興味しんしんだ。
「あ、うん……サシュがジュノに来たこととは、関係ないんだけど……」
 その発言にがっかりするジーク。カロココは自分のかばんの中を手で探りながら、話を続けた。
「ごめん、ちょっと思い出してさ。……さっき、雷光団の解散式をやったじゃない?」
 皆が黙って聞いている。カロココのかばんの中から、ミニブレイクのチョーカーが出てきた。
「飛空艇の出港前に、サシュが言ってたのよ。ミニブレイクの解散宣言をしていなかったから、ちゃんとチョーカーに残しておくって」
「へー……」
 興味がなさそうなジークの足を、思い切り踏むカロココ。
「ぃ痛――ッ!」
「飛空艇で一人でいたサシュが、メッセージを入れたんじゃないかと思ってさ!」
 それを聞いて、他のメンバーもミニブレイクのチョーカーを取り出しはじめた。そういうことなら、サシュがチョーカーを身に付けているかもしれない。わざわざテルを飛ばさなくても、チョーカーに意識を向けるだけで、サシュの居場所がわかるというものだ。
 それに、もちろん……メッセージがあるなら読んでみたい。
 自分のチョーカーをなくしているアンティーナが、ザヤグのかばんを漁っていた。あきれたザヤグが彼女を小突いて、腰の袋に入っていたチョーカーを渡す。
 ありがとう♪ ……そう言って受け取ったアンティーナが、チョーカーに意識を集中した。
「サシュは、いませんわね…………あら?」
 いきなり口に手を当てて、頬を染めるアンティーナ。
「うは♪ どこが解散宣言だヨ!?」
 ジークとカロココが驚いた。ニヤニヤしながら、ミサヨの方を見るラカ。
 ミサヨはいつの間にか、皆に背を向けて立っていた。その首には、ミニブレイクのチョーカーがつけられている……。

 人が少ない発着場に、いきなりプロペラの風切音がヒュンヒュンと唸りはじめた。そして、ザブザブという波を掻き分ける大きな音が響く。多くの客を呑み込んで接岸していた飛空艇が、出港時刻を迎えたのだ。
 ミサヨが何か言ったようだったが、プロペラと波の音に掻き消された。そのまま力が抜けたようにぺたりと地面に座りこむミサヨ。その後ろ姿は、泣いているように見える……。
 ゆっくりと後進で港を出た飛空艇が海上で旋回し、そのまま大空へと消えていった……。

 静まり返った発着場で、ミサヨの小さな涙声が聞こえた。
「……こんなの……ずるいんだから………」
 子供のように座ったままのミサヨの、その震える背中を仲間たちが見守っている……。
 しばらくして、ミサヨは落ち着いたようだった。
 そっと声をかけるラカ。
「……行くん?」
 こくりと頷くミサヨ。ぐしぐしと顔をこすって、立ち上がった。
「あはは……めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど……」
 おどけた口調で振り返ったミサヨの顔は真っ赤で、まだ涙の跡が残っている。
 かまわず、ラカが突っ込んだ。
「けど……?」

「……嬉しい」

 隠すように赤い顔を伏せるミサヨ。ジークが居心地悪そうに大きな声を上げた。
「そーゆうことは、互いの顔を見て言えヨ! ミサヨもサシュも、どーして…………痛ェーって!!」
 再びカロココの小さな足が、ジークの足をぐりぐりと踏んでいた。余計なことを言うなと、その顔が言っている。

 じゃあ、行ってくる……そう言ってミサヨが去った後の発着場で、ラカとカロココが嬉しそうに言った。
「ウィンダス行くんは、後回しやなぁ……♪」
「そうだね、からかいに行かないと♪」

 アンティーナが小さな声でザヤグにつぶやいた。
「私、カリリエを慰めに行った方がいいのかしら?」
「……やめとけ、アイツは大丈夫だ」
 お前は、幸せオーラを出しすぎだ……とは言えないザヤグ。アンティーナから手渡されたチョーカーに意識を集中した。
 〝LS:Minibreak〟の文字が見える。
 その後に、サシュの短いメッセージが書かれていた。
 それは、ヒューム族であるミサヨに向けた、未来への約束……。

  サシュ: 結婚しよう、ミサヨ。上層の教会で待ってる

 朝陽をキラキラと照り返す青い海の上に建造されたジュノ大公国。
 その国には今日も優しい潮風が流れ……世界を旅する冒険者たちが、それぞれのドラマを綴《つづ》っている……。

 ~カーバンクル・カーズ完~


 ~あとがき(おまけ漫画付き)へ


コメント

最後は小憎らしい終わり方だったなぁ^ロ^;サシュよ ミサヨに面と向かって言いなさいΨ(`∀´#)(笑)
さてさて、次回作が気になりますなぁ(´∀`)

◆ヒデタルさん
告白は、面と向かってが主流というか男らしいと言うか、そういう風潮ですよね現在はw
次回作……うーん……そう言ってもらえるのは嬉しくてありがたいのですが。
FFXI小説は、サシュが主人公じゃないと書く気がしないし、サシュが主人公ではもう書く気がしないんですよねぇ……あはは( ̄▽ ̄;

すごいすごい(*´Д`*)
何のメッセ残したんだろ?と思いながら読みました
いいね~むふw

パチパチパチーーー(clap)
とてもいいエンディングでした!

最終回に主人が一度も出ずにメッセだけでるのがにくいですねw

◆さとぽん
ありがと~( ̄▽ ̄〃
一応、ここまでは書いておきたかったのだ!

◆Leppardさん
ありがとうございます~。
昔の予定では、飛空艇の甲板にサシュとミサヨとカリリエの3人がいて、サシュが直接ミサヨに言うことで終わる予定だったんですけどね。
“新しい契約”を結び、まだ一緒にいようって感じで。
色々な要素をこねくり回しているうちにこうなりましたw

最後までとても楽しく拝見させて頂きました♪
途中の展開で、目頭が熱くなりうるうるしたこともありましたw
毎週楽しみにしていたこの小説が終わってしまうのは、ホントはとても残念なんでが・・・、次回作も期待しつつ^^
執筆お疲れさまでした~ヽ(´ー`)ノ

◆みゅーさん
ありがとうございます♪
そう言ってもらえると、とても嬉しいです。
次回作は……うーん、うーん、うーん( ̄▽ ̄;

いいなぁ・・・素敵な終わり方であり、新たな始まり。ですね・・・

私もいつかこんな人に出会えたらなぁと思いつつ!


続編ハー?と言ってみる(笑)

◆らふぃさん
おぉ、らふぃさん!
体調は大丈夫なんですかっ!?
ぞ、ぞ、ぞ、続編って……サシュとミサヨのラブラブ冒険生活が見たいですか?w
私は恥ずかしくて書けませんww

いいな~。二人の結婚式を想像してちょっと笑いました^^
わたしもこんな仲間たちと出会いたいなぁ・・・そうだっ!ビス鯖に行こうっ!!w

サシュさんの物語を、もっとずっと読んでいたいけど
物語には終わりがあるし、執筆される作家さんは大変ですもんねぇ
素敵なお話を、ありがとうございました。

◆Aryuさん
確かに笑えますね!w
でもきっとミサヨは幸せそうなんだろうなぁ。
ビス鯖で小説の人物に会えるわけではありませんけど、同じ名前のキャラはいますw
カロココやラカやザヤグやジークはどの鯖にも緑ネームでいるはずですけどね♪
もっとずっと読んでいたいなんて、ありがたいお言葉をありがとうございます。
やっぱりまた何か書こうかなぁ……。

こんにちは

カーバンクル カーズを読ませていただきました。
感動しました ハラハラドキドキもしました すごく引き込まれもしました
(うまく表現できてないですが^^;)
これが冒険者だと思いました
最近冒険してない自分が居ましたのでなんかうれしくなっていました^-^
最終決戦は読み応え抜群でしたよ(そこでブリンクかよ!)

サシュとミサヨのその後のお話も見たい!作ってもらいたい!っと思いましたよ

私のお気に入りは・・・ザヤグですWWW
ザヤグのシーンは泣きましたよ;;最後は幸せになってくれてうれしいです^-^
好きなのはアンティーナですね^^;

最近のFFには乗り遅れてますがこれからもがんばろうと決心しましたぞ(o゚ω゚o)ぉ♪(ラーニングを!WWW)

では他の作品も読んできますね^-^

◆バッソさん
こんにちは。ありがとうございます。
ほめられて嬉しいです^^
アンティーナを好きになってくれた人は珍しい!
ラーニング、頑張ってくださいっ。

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