ささやかに駅メモ!

駅メモの旅先でたまに娘キャラ活動と出会うブログ
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駅メモ!の世界に足を踏み入れたところ、なんだか楽しいのでそのまま彷徨い始めました。ウロウロ。怖くないですよ?

【旧版】竜連れ3-2

 
「竜を連れた魔法使い」 目次

第一話 沈まない太陽 (1) (2) (3)
第二話 手に入れた力 (1) (2) (3)
第三話 竜たちの覚醒 (1)




第三話 竜たちの覚醒 (2)


天井全体が人工照明として白く光り、窓のない石造りの広い部屋をこうこうと照らしている。
床には段差が設けられ、その高い段上に大きくて重そうな椅子が置かれている。
人が寝転がれるほどゆったりとしたその幅広の椅子には、いくつものクッションが転がっており……座り心地が良さそうだ。
高い背もたれの上部には細やかな装飾と大小の宝石がちりばめられ、“玉座”という言葉がすぐに連想された。

静まり返った部屋に、ぴちゃぴちゃという不規則な音が響いている。
――その音が急に止んだ。

「……御主人様、い……」

「誰が休んでいいと言った?」

女性の透き通るような高い声を、男の低い声が遮(さえぎ)った。

玉座にゆったりと座る初老の男は、髪と同じグレーのあごひげを左手でさすりながら天井を見上げたままだ。
その足元の床に、水色のチャイナドレスを身に付けた若い女性が這(は)いつくばっている。
細い身体をぴっちりと包んだドレスが、大きな胸からくびれた腰、尻、太ももへと美しいラインを描いている。
ライトブルーの髪はストレートで短くカットされており。
皮製の黒い首輪が付けられた白く美しいうなじをさらしていた。
そのうなじも、細い手足も、まるで湿っているようにしっとりとしていて、明るい人工照明の光を反射している。

男は、女がすぐに“奉仕”を再開すると思っていた。
逆らうことは許していない……そのように“教育”してきたのだ。

……だが、この時は違った。


女性が端正な美しい顔を上げ、潤んでいるように見える綺麗なダークブルーの瞳で男を見上げた。

「ですが、御主じ……」

突然、女性が床に身体を打ちつけられ転がった。
容赦なく女性の顔を蹴った男が、玉座の前に立ち上がっている。

冷徹な眼差しが女性を見おろしていた。

「……まだ何か言うことがあるか?」

うつむいて頬を手で押さえた女性の細い肩が震えている。

「……いえ、申し訳ございませんでした」


「続けろ」と男が言い、「はい」と女性が答えた。

唾液でぬらぬらと光る男の素足が目の前にある。
たった今男が立ち上がったせいで、足の裏にはホコリや砂が付着していた。

女性は床に頬をこすりつけるようにしながら、男の足裏に舌先を伸ばした……。



やがて。

男が再び口を開いた。

「目覚めつつあるな……お前の妹たちが……」

女性の動きが一瞬止まり、すぐに再開した。

「それを感じたんだろう、セイリュウよ」

女性がライトブルーの髪を揺らしてコクリと頷いた。

「ふ……別にどうということはない。竜の一匹や二匹……出てきたら叩くだけのことだ」

「…………」


長い沈黙。
部屋にはぴちゃぴちゃという音だけが響く……。

足元に這いつくばる女性を見おろして、男がもう一度口を開いた。

「午後にはサルネイアが顔を出す……食事の用意をしておけ」



***



「カイリ……」

「ああ……」

離位置(テレポート)の魔法で屋敷の庭に戻ったカイリたちは、黒くなった地面の中心を見つめていた。
そこには、原型がわからないほどに溶けて崩れた大きな箱の残骸。
その周囲では細い煙が、何本も立ち昇っている。

「ここからじゃ、よく見えませんね」

マティが宙に浮いたまま、ゆっくりと近付こうとする。

「……熱い」

周囲の空気が熱かった。
箱の付近はまだ相当な熱を持っているようだ。

マティが唱えようとした魔法を、カイリがすでに完成していた。

「衣蔽甲(シールド)……!」

地面が白く光った直後に、二人と眠ったままのドライアードの身体が一瞬青く輝いた。
レベル1の基本的な防御魔法で、ある程度の熱も防ぐことができる。


そのまま近付き、大きな箱の残骸を回り込んだ時。
カイリはドキリとした。

視界に入った紅(あか)いもの。

全長十五センチ程度……ドライアードと同じくらいの大きさだ。

全身を真っ赤なウロコに包まれたその生物は。

確かに動いていた……。


「カイリ……」

「ああ……」

同じセリフを繰り返すマティとカイリ。
マティが指さしながら、少し後ろに下がった。

「……アレは何でしょうか?」


カイリは逆に一歩前に出た。
長い首……四足……長い尾……背には大きな翼……。

肉食恐竜の頭と、首長竜の身体と、翼竜の翼を併せ持ったようなその姿は……。

「……ドラゴン……だな」


ドラゴンの小さな赤子は、カイリを見つけて「ピイ」と鳴いた。

大きな翼の割に脆弱そうな脚……歩くとヨタヨタと身体が傾く。

カイリが両手を伸ばし、そっと持ち上げた。
予想以上に熱くて、思わず落としそうになるのをぐっとこらえる。

(最初が肝心だ……ここで放り投げたら、一生敵と見なされるだろう……)

手のひらに軽く火傷(やけど)を負ったようだが、産蝕導潤(キュア)の魔法ですぐに治るはずだ。

ドラゴンの大きな瞳とカイリの目が合った。
その横で、マティがドラゴンをまじまじと見つめている。

再び「ピイ」と鳴くドラゴン……その口から、小さな炎がポッと出た。
「きゃ」と声を出すマティに対し、動じないカイリ。

「よろしくな……ええと……」

端が溶けたセラミック製の白いプレートが、カイリの視界に入った。
アルファベットが刻まれている。


 CODE DRAGON #1 “SUZAKU”


「……よろしくな、スザク」

「ピイ」

生まれたばかりの小さなドラゴンは、ご機嫌なようだった。



(3)へ続く

コメント

SEIRYU,SUZAKUとくれば、次は・・・

それにしても、今回はSな描写でしたね><

セイリュウはボンキュッボーンの美人に変身できるんですね。
スザクと××××も、「妹たち」という描写から幼女に変身するのかな?
竜が出たことで予想が外れたので、もう書いても大丈夫だと思うから書いちゃいますね。
実はわたしは、マティが竜に変身するんじゃないかと思っていました。
サシュさんの物語は予想をいい意味で裏切ってくれるので、これからも期待がふくらみます。ボーン!!

そして (´-`).。oO(サシュさんはS・・・)

さしゅさんS?・・・・・・・ ( ̄▽ ̄〃 【なるほど】

こんなところに書くのもなんですが……。
「竜を連れた魔法使い」に投票してくださった方、ありがとうございます。

◆Leppardさん
竜の名前……「ブルガリ」とか「エスティ」とか「ニナ」とかつけようかとも思ったのですが。
自分が疎い世界の名前を使っても、感覚のずれたネーミングになりそうだったのでやめました( ̄▽ ̄;
Sな描写……について、否定はしません( ̄▽ ̄)
私の中で、「女子供を一方的に迫害する男」は、他にどんなにいいことをしていても無条件に「悪」なんですよ。
悪く言えば男尊女卑ですけど……「女子供を護る男」は無条件に「正義」という図式なわけです、私の中では昔からw
「幼児虐待」とか「DV」とかをニュースで見ると、勝手に一人で胸を痛めてます……。

◆Aryuさん
先読みのコメントにご配慮ありがとうございます。
「いい意味で」は社交辞令だと思うのですが、社交辞令を使ってもらえるのはいいことだと思っているので、素直に喜びます( ̄▽ ̄)b
マティは20年くらい前に作ったキャラで、竜に変身する予定は今のトコロありませんw
私がS……はどうでしょうね?
それを確認させてくれるタイプの相手にはあまり会わなかったのでw

◆小花さん
納得されてるΣ( ̄▽ ̄;
支配欲はあるかもですねー。
心の底から惚れてくれる相手がいたら、それは支配だと思うし、幸せだと思います♪
小説を書くのも、その世界を支配できちゃうのがいいところかも?w

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